内部リンクの重要性と、SEO対策として効果的な貼り方のコツ
SEO対策の業界では、よく他のサイトからのリンク獲得(外部リンク)の重要性が議論されます。もちろんそれは間違いではなく、Googleの検索結果を上に押し上げるための強力なファクターであることが知られています。
しかし、リンク獲得の重要性は外部リンクに限ったことではありません。あなたのWebサイトの中で適切にリンクを貼ることも、同じようにとても重要なのです。これをこの記事では「内部リンク構築」と呼ぶことにします。
今回の記事では、その内部リンク構築についてあなたが知っておくべき知識を解説していきます…
目次
内部リンクとは何か?
内部リンクとは、同じWebサイト内のあるページから、関連する別のページへリンクを貼ることです。内部リンク構築は、SEO対策として非常に重要な要素の1つであるのと同時に、機能的に優れたWebサイトを構築する上でも大切な施策となります。
なぜ内部リンク構築がSEO対策で重要な施策なのか?
内部リンク構築がSEO対策で重要な理由は、主に2つあります…
1. リンク先のコンテンツに信頼性を与えることができる
1つめの理由は、同じサイト内の他のページのコンテンツに信頼性を与えることができるからです。
ここで一旦外部リンクの話になりますが…なぜ外部リンク獲得がSEO対策に重要かというと、リンクを貼ってもらったWebサイトから「この情報は信頼できる」とお墨付きをもらったようなものだからです。そして、(概念的な話になって難しいのですが…)この時あなたのサイトは相手のサイトから信頼度を表すシグナル(リンクジュースと呼びます)を受け取ると考えられており、これを集めることが検索順位を上げるカギとされているからです。
関連記事:
サイトの質評価でGoogleが重視するE-A-T…改善のためにあなたにできることは?
WebサイトのE-A-T(専門性・権威性・信頼性)を高める唯一確実な方法
ちょっと例えは悪いですが、あなたに良い情報を提供してもらった代わりに、そのサイトが所有者に変わって見えないお金を支払っているようなものでしょうか。このように、外部リンクを貼ってもらうことで、そのページの情報価値がどんどん高まっていくことになります。
そして、そのページから別のページへ内部リンクを貼ることによって、リンクジュースを別のページにおすそ分けすることができるのです。この性質を利用すれば、思うようにアクセスが集まらないページの価値を高めていくことができます。
通常、商品やサービス購入のための販促ページは情報価値が最も低いページと考えられます。購入を前提として訪れる一部の人にしか価値がなく、外部リンクの獲得も(不可能とは言いませんが)非常に困難なページです。
このような販促ページに、同じサイト内のコンテンツページから内部リンクを貼ります。もしそのコンテンツページが外部リンクを獲得したとすると、リンクジュースが内部リンクを通じて販促ページにも伝わります。これがいくつも集まれば、販促ページ自身も価値が高いものとGoogleが判断するようになり、同じような商品やサービスで検索されたときにあなたの販促ページが上位表示されやすくなっていくのです。
2. Webサイト内の重要なページを示すことができる
2つ目の理由は、同じWebサイト内で重要度の高いページをGoogleに示すことができるからです。
新しいコンテンツがウェブ上に公開されると、それを嗅ぎつけた検索エンジンのクローラーがやって来て、あなたのサイト内をクロールしていきます。この時クローラーは、そのサイト内で重要なページを内部リンクを使って判断しています。内部リンクが多く集まっているページの方が、少ないページよりも重要度が高いと検索エンジンのクローラーは判断するのです。
あなたがブログでコンテンツマーケティング を行なっているならば、記事が増えていくに従って同じトピックをあつかったコンテンツが自然に増えていくはずです。重複コンテンツとまではいかないまでも、同じトピックのコンテンツが同じサイト内にいくつもあった場合、人間だけでなくGoogleも「どのコンテンツが最も優れているのか」判断に迷うことがあるのです。その結果、あなたのコンテンツが検索順位になかなか表示されなくなるという問題が発生します。
こういう状況を想定して、事前にあなたが特定のページに内部リンクを集めておくと、同じトピックを扱った複数のコンテンツの中から最も重要なページをクローラーが判断できるようになります。すると関連したキーワードで検索がかかったときに、Googleもあなたのコンテンツを検索結果画面にとりあげやすくなるのです。
お客さん目線からの内部リンクでWebサイトの構造を整える重要性
一方で、検索順位改善だけでなく、お客さん目線でも内部リンク構築は重要です。
あなたの今までのSEO対策が功を奏して、ある時お客さんがサイト内のコンテンツにやって来たとします。そのコンテンツを読んで内容に満足したお客さんは、きっとあなたから他の関連情報も教えてほしいと思うでしょう。こんな時、あなたが事前にお客さんの欲しそうな情報を察知して、そこにリンクを貼っておいたらどうでしょうか?そのリンクを通じてスムーズに次のページに行けますよね。
一方で、あなたがそのリンクを貼り忘れたら、お客さんはどうやって次のページに行けば良いのでしょう?時間があるお客さんは、あなたのサイト内をくまなく調べて目的のページを探してくれるかもしれません。でも、その余裕がなかったら、お客さんは検索エンジンに戻って他のページに行こうとするでしょう。
内部リンクでWebサイトの構造を整えることは、お客さんに高いレベルでのユーザーエクスペリエンスを提供し、あなたのサイトに好印象を持ってもらうために不可欠なのです。
今まで作ったコンテンツを見直して、あるいは今後新しいコンテンツを作る時、お客さんが次に欲しがりそうな情報を考える癖をつけましょう。そして、それに見合うコンテンツが既にあるなら内部リンクを貼り、なければ新たにそのコンテンツを作ってリンクを貼りましょう。このステップを繰り返していくことで、お客さんにとって有益でかつ機能性の高いWebサイトが自然に出来上がっていくことになります。
SEO対策として効果的な内部リンクの貼り方
SEO対策を意識した内部リンクの貼り方には、大きく分けて2つのステップがあります…
1. どのページに外部リンクが集まっているかをチェックする
まずは、あなたのWebサイト内でどのページに外部リンクが集まっているのかをチェックします。そもそも適切に内部リンクを貼ること自体がユーザー目線で重要なので、このステップがなくてもサイト内でリンクを貼って構いません。ただ、SEO対策をより意識するならば、外部リンクが得られているページを把握して、そこから他のページに内部リンクを貼る方が効果的です。
問題は、どうやって外部リンクが集まっているページを認識するか…です。本来は有料のSEOツールを使って調べる人が多いと思いますが、無料の調べ方もないわけではありません。
例えば、Google Search Consoleのメニューから「リンク」をクリックしてみてください。すると、外部リンクを獲得しているページがリストアップされて出てきます。この中から他のページに内部リンクを貼れそうなページを探し出して、そのページを優先的に最適化するのです。
また、英語ですがScreeming Frog SEO Spider Toolというツールもかなり使えるようです。僕は使ったことがないので詳細はフェレットさんに譲りますが、他にもいろいろ機能がありそうなので、英語が苦にならないなら使ってみてはいかがでしょうか。
2. アンカーテキストを最適化する
こうして対策をとるページを見つけたら、次のステップはそこから目的のページにリンクを貼ることです。この時にカギとなるのがアンカーテキストです。
コンテンツを読んでいるお客さんに、そのリンクをたどれば欲しい情報が得られると確信してもらわなければならないので、アンカーテキストには具体的で明解な言葉を使うようにします。すると人間だけでなくクローラーも行き先のページを理解しやすくなるので、リンク先のページの検索結果にも好影響を与えます。
このようにアンカーテキストを最適化して、人間にも検索エンジンにも行き先の情報を理解できるようにすることが、内部リンク構築の1つのコツです。
関連記事:
クロールバジェットとは…大規模サイトでないなら本当に最適化は不要?
クローラビリティとインデクサビリティ|検索順位upのためにどう対策する?
内部リンク構築でペナルティーを受けるリスクがあるケース
これまで説明して来たように、内部リンク構築にはSEO対策だけでなくユーザーエクスペリエンスの意味でも非常に重要なのですが、逆にGoogleのガイドラインに違反してペナルティーを喰らいかねないケースもないわけではありません。
例えば、同じアンカーテキストでいくつも内部リンクを貼るケースは注意が必要です。そのページが重要なのはわかりますが、やりすぎるとGoogleに「意図的にそのページのランクを上げようとする行為」と見なされる可能性があります。このため、特定のページへの内部リンクが多くなる場合は、「アンカーテキストの分散」という手法を用いる方が望ましいです(詳細はアンカーテキストのリンク先記事をご参照ください)。
同様に、1つのページから他のページへ何個も内部リンクを貼るケース。外部リンクから受け取ったリンクジュースをできるだけ多くのページに振り分けたい気持ちはわかります。でも、さすがにそこから100個も200個も内部リンクを貼るのは多すぎです。通常1つのページからのリンクは10〜20個以内に収まるはずですし、そんなに多くの関連コンテンツを抱えていることは滅多にないはずです。
関連記事:Googleのペナルティー:あなたのサイトに起こってしまったらどうするか
まとめ:外部リンク獲得だけでなく内部リンク構築も重要
多くの人はSEO対策の分野でリンク構築と聞くと、外部リンクの方を思い浮かべることでしょう。でも、内部リンクの構築も同じように重要であることが、これで理解できたでしょうか?
内部リンクの構造を最適化することで、お客さんやGoogleを別のページへ誘導するナビゲーション機能が改善しますし、コンテンツの重要度がわかりやすくなるので
検索結果にも早く効果が現れます。すると他のWebサイト管理者があなたのコンテンツを見つけやすくなるので、そこに外部リンクをもらえる可能性も高まることになるのです。
大堀 僚介(Ohori Ryosuke)
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。
コメントを残す