SEO対策という分野が誕生した頃から、メタディスクリプション(メタディスクリプションタグとも呼ばれます)は最適化のポイントとして重要な位置を占めていました。過去にはメタキーワードとともにメタディスクリプションがランキングシグナルの1つであると考えられていて、ここにキーワードを詰め込んだりして検索順位を少しでも上げようという試みがされたこともありました。一方…
現在ではメタディスクリプションそのものにSEO効果はないとされています。そう聞くと、多くのwebサイト運営者はガックリ肩を落とすのですが…だからと言って、メタディスクリプションには手を加えなくても良いというわけではありません。メタディスクリプションの最適化は、依然として内部SEO対策で重要なポイントの1つです。
この記事では、あなたが知っておくべきメタディスクリプションの基礎知識と、Googleにも好まれるメタディスクリプションの書き方について順に説明していきます…
目次
メタディスクリプションとは何か?
メタディスクリプションとはHTML内に設定されるmetaタグ(メタタグ)のことで、そのページに書かれている情報を要約して、メタ情報として検索エンジンに伝えるために使われます。このメタディスクリプションに書かれていることが検索結果画面(SERPs)のスニペット(タイトル、URL、説明文の組み合わせ)にも表示されるので、検索エンジンだけでなくユーザーもメタディスクリプションを見て、そのページの内容を判断することになります。
なぜメタディスクリプションの最適化が必要か?
メタディスクリプションの最適化が必要な理由は主に2つあります。1つ目は、Googleがページ内のコンテンツ内容を把握するために使っていること。2つ目は、ユーザーのトラフィックやクリック率に良い影響があるからです。
今では、Googleが「メタディスクリプションはランキングシグナルではない」と公表しているので、単に検索順位のためだけにメタディスクリプションを変更するようなことはなくなってきました。でも、間接的にはメタディスクリプションの更新が検索順位に影響する可能性はゼロではありません。
なぜなら、Googleがメタディスクリプションの内容をもとに、そのページをユーザーの検索意図と結び付けようとするからです。あなたのwebサイトで適切にメタディスクリプションが書かれていれば、ユーザーの検索意図とマッチしたときに上位表示される可能性が高くなると考えられるのです。
そして、ユーザーの検索意図とあなたのコンテンツ内容が一致していれば、ユーザーがそのページをクリックしてくれる確率が高まります。そうすれば、あなたのwebサイトにより多くのトラフィックが集まることになりますし、その分webサイトからの売り上げが上がる可能性が出てくるわけです。
さらに、こうしたトラフィックの増加やクリック率の増加をGoogleが認識して、よりユーザーに役立つコンテンツとして検索順位を押し上げる可能性も指摘されています。「Googleはこう言っているけど、実際は…」というようなことは、SEO対策の世界では珍しくないのです。
メタディスクリプションがスニペットに反映されないのはなぜか?
ただ、このメタディスクリプションには厄介な問題が1つあります。それは…
ということです。
あなたもブログ記事を日々更新しているなら、メタディスクリプションが表示されないという経験は少なからずあると思います。実際、代わりにGoogleが本文抜粋で作った文章を検索結果画面に表示されることは日常茶飯事です。どちらを表示させるかをを決めるのはGoogleで、残念ながら僕たちでコントロールできることではありません。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?1つ例をあげて説明しましょう。
例えば、あなたが「良い中古パソコンの選び方」というテーマでブログ記事を書いたとします。すると、そのページにふさわしいメタディスクリプションは「中古パソコンを選ぶときに失敗しない、いくつかの基準を教えますよ」という内容になるはずです。
でも、もしかしたらユーザーは「中古パソコンが安く買えるところ」を検索するかもしれません。値段も中古パソコンを選ぶときの基準の1つには違いないので、こんな時もあなたのブログ記事は検索にヒットする可能性があります。でも、あなたの書いたメタディスクリプションは、こんなユーザーに100%満足してもらえるような書き方をされていないわけです。
こんな時にGoogleは、メタディスクリプションの記載ではなくて、自動作成した文章をスニペットに表示させます。つまり、メタディスクリプションがスニペットに反映されないのは…
ということです(より正確に言うならば、メタディスクリプションの記載がユーザーの検索意図に合っていない…とGoogleが判断した場合になります)。同じページのメタディスクリプションを複数作成することはできないので、検索クエリによってはメタディスクリプションを書き換えられたりするのは、ある程度仕方がないことかもしれません。
ちなみにGoogleによると、良いメタディスクリプションとは…
Good meta description are short blurbs that describe accurately the content of the page. They are like a pitch that convince the user that the page is exactly what theyre looking for.
ページの内容を正確に伝える短い宣伝文で、まさにユーザーが探している情報そのものであることを納得させるための売り文句、ということです。
メタディスクリプションを書かないとどうなるか?
メタディスクリプションを書かないままで放置しておいても、別にサイト運営上で致命的な問題があるわけではありません。その点はご安心を。メタディスクリプションを設定しない場合でも、Googleの方で自動生成の説明文をつけてスニペットに表示してくれます。検索順位に直接大きな影響があるわけではありません。
だからといって、メタディスクリプションの設定は不要!と考えるのは短絡的です。あくまで自動で編集された文章なので、コンテンツの内容をわかりやすくユーザーに伝える自然な文章にはなっていないこともあります。自動生成のメタディスクリプションが意味不明の文章になっていたら、やはりクリック率にも影響が出てきます。
なので、採用されるかどうかはわかりませんが、それでも時間が許す限りあなた自身の言葉でメタディスクリプションを自作する方が望ましいです(実際GoogleのJohn Muellerも、コンテンツ作成側でメタディスクリプションを作成することを勧めています)。
推奨されるメタディスクリプションの文字数は?
SEO対策の業界では、最適なメタディスクリプションの文字数は半角英字で160文字前後(日本語に換算すると80文字前後)と考えられています。その理由は、メタディスクリプションが長すぎると、SERPsのスニペットに表示されるときに後半部分が省略されてしまうからです。どんな場合でもメタディスクリプションが省略されずに表示されるギリギリの範囲が、日本語でいうとだいたい80文字くらいということです。
ただ、これは「80文字以内で書かないとSEO的に問題だ!」というものではありません。仮にメタディスクリプションの文字数を120文字にしたって、160文字にしたって、Googleのペナルティーを食らうなんてことはありません。
実際、2018年に一度、スニペットに表示されるメタディスクリプションの文字数が倍の320文字(半角英字)になったことがありました。そして残念ながら、その数ヶ月後にす元の160文字に戻ってしまいました。
この320文字に倍増していたときに作られたコンテンツのメタディスクリプションは、多くが半角英字で320文字を目安に書かれていました。その後しばらくして元の160文字に戻ってしまったので、そのメタディスクリプションは今でも文字数が多い状態で残ってしまっています。
この文字数オーバーの問題は当然SEO対策の専門家の間でも議論されましたが、GoogleのJohn Muellerの「変更する必要はない」というお墨付き(言質?)が得られて鎮静化しました。
メタディスクリプションの文字数が多いとどうなるか?あえて問題があるとするならば…途中でメタディスクリプションが省略されると、ユーザーにそのページの内容がきちんと伝わらなくなる可能性があることでしょうか。そのためにクリック率が下がってトラフィックも少なくなる可能性がゼロとは言えません。
ただ、日本語80文字以内でページの内容を要約するのも簡単なことではありません。無理して80文字以内に収めたとしても、Googleにそれを評価されずに自動抜粋の文章をスニペットに表示されてしまうのも、同様にクリック率やトラフィック数が下がる可能性があります。それくらいなら、途中で省略されてもメタディスクリプションは長い方がいいかもしれません。
なので、メタディスクリプションを何文字にするかは、その時々の判断で良いのでは?と個人的には思います。もちろん80文字以内に収められれば一番いいですが、難しければとりあえず字数無視でメタディスクリプションを書いておく。そして、後で思いついたときに80文字以内に要約する…といったスタンスが、僕たちにとって余計なストレスがかからなくていいように思います。ちなみにWordPressをお使いなら、Yoast SEOやAll in One SEO PackなどのSEO対策用のプラグインを使えば、あなたが入力しているメタディスクリプションの長さが適切かどうかを自動でチェックしてくれる機能がついています。
Googleに好まれるメタディスクリプションを書く方法
あなたの作ったメタディスクリプションが、きちんとSERPsに載るようにするにはどうしたら良いでしょうか?残念ながら、100%確実にスニペットに表示させる方法や、その確率を簡単に上げるコツはありません。でも、その確率を上げることは努力次第でできると僕は考えています。
まずは、あなたが狙っている検索キーワードを入力して、GoogleのSERPsにどう表示されるかをチェックしてみましょう。あなたのライバルとなるトップ10のwebサイトのスニペットが表示されますよね。そのライバル達のサイトでは、メタディスクリプションがスニペットにきちんと表示されているでしょうか?
ライバルページのメタディスクリプションの確認方法は?そのページを開いて右クリックしてみましょう。「ページのソースを表示」というコマンドが出てきますので、ここをクリック。表示されたソースコードから「meta name=description」と書かれている部分を探しましょう。そこがライバルページのメタディスクリプションです。
独自のメタディスクリプションが表示されているサイトを記録しておきましょう。それをいくつか集めて、あとで分析するのです。それらの中に共通のパターンが見つかれば、あなたもテンプレ的にそのパターンを使えばいいでしょう。もし見つからなくても、ライバルの成功例を参考にしてメタディスクリプションを作成すれば、ただ闇雲に作るよりもスニペットに表示される可能性は高まるはずです(もちろん、参考にしたサイトとメタディスクリプションが重複しているとGoogleに判断されないように、多少のアレンジは必要です)。
あとはトライ&エラーです。まずは自分でメタディスクリプションを書いて、それが反映されるまでの時間を待って、結果を確認して、うまくいっていなければ変更して…この地道な作業以外に、メタディスクリプションをSERPsに表示させる確率を上げる方法はありません。
ちなみに、Google Chromeをブラウザで使っている人なら、SEO Quakeという無料プラグインをインストールすれば、SERPs上のデータを取得してExcelのスプレッドシートに簡単に出力できるようになります。Chromeユーザーはぜひ使ってみてください。
メタディスクリプションにターゲットキーワードを含める理由
繰り返しになりますが、Googleはメタディスクリプションをランキング目的で使用しないことを公言しています。この言葉をそのまま受け取れば、ターゲットキーワードを含まないメタディスクリプションでも検索トップ10入りは可能ということになります。
その真偽は僕たちにわかることではありませんが、それを除いてもやっぱりメタディスクリプションにはターゲットキーワードを含める方が望ましいです。その理由は、ユーザーの立場になって考えればすぐにわかります。
あなたが調べ物をしていてGoogle検索をして表示されたトップ10のWebサイト。タイトルだけを見て…
と思えるサイトばかりではないですよね。場合によっては自分の検索意図とズレたサイトばかりが表示されていることもあり、「本当に答えが載ってるのかな…」と疑問に思うことがあるはずです。
そんな時、あなたならどうしますか?そうです。スニペットの説明文を読むはずです。そして、その説明文にあなたの検索した言葉が含まれていれば、とりあえず関連がありそうだと判断してそのページを開きませんか?メタディスクリプションにターゲットキーワードを含めることによって、ユーザーがSERPs上であなたの作ったページを見つけたときに、クリックして本文を読んでくれる確率が高まります。その先には商品やサービスの購入であったり、メルマガへの登録であったり…あなたがお客さんにしてほしいことが待っています。たとえわずかでもその可能性が高まるなら、やらないでおく手はないですよね。
大堀 僚介(Ohori Ryosuke)
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。