先日、とあるクライアントさんからこんな要望が僕に送られました…
とにかく、検索件数の多いキーワードから対策をしてほしい。
by クライアントさん
この要望、僕も気持ちは十分わかります。検索件数の高いキーワードでランクインすれば、それだけ多くのお客さんを集めることができるのですから。でも、この時僕は、あえてクライアントさんにこう伝えました…
その考えは今日限りで捨ててください。
by 大堀
僕はなぜこんなことを言ったのでしょうか?今回はそんなお話です。
僕がクライアントさんにそう言ったのは、その裏に検索件数の少ないキーワードを軽視するような雰囲気を察したからです。もちろん、検索件数の多いキーワードでの対策は重要ですし、その意味ではクライアントさんの発言はごもっともです。でも、検索件数が少ないページにも重要なページはあり、それらに対しても等しく力を入れて対策をしなければならないのです。そこを理解してもらうために、あえて僕はそう発言したのでした。
目次
例えば、あなたは今シャンプーを買おうとしてAmazonにアクセスしました。でも、あなたにはまだ「どのシャンプーを買うか」はっきりした気持ちはありません。こんな時、あなたはどうやってシャンプーを探すでしょうか?おそらく画面左のカテゴリーを丁寧にクリックしてシャンプーのカテゴリーに行き着くか、検索ボックスに「シャンプー」と入力して検索するか、どちらかでしょう。
一方、もしあなたにお気に入りのシャンプーがあり、同じものを買おうとしていたら…銘柄は何でもいいですが、例えばパンテーンにしましょう(注:パンテーンの業者とのつながりは全くありません)。こんな時、あなたはどうやってパンテーンを探しますか?きっと検索ボックスに「パンテーン」とダイレクトに入力するのではないでしょうか。
ここでAmazonの例から一般的な話に戻します。2つの検索ワード「シャンプー」と「パンテーン」、どちらの検索件数が多いでしょう?答えは当然「シャンプー」ですね。なので、オンラインショップがキーワード「シャンプー」でSEO対策をとろうとするのは、決して間違いではありません。
でも、ここで「パンテーン」を無視したらどうなるでしょう?パンテーンのシャンプーを欲しいと思ってネット検索してくれたお客さんが、パンテーンで検索しても購入ページに行けなくなってしまいます。そんな時、他のオンラインショップがダイレクトでパンテーンの購入ページを表示させることができたら、きっとお客さんはそちらに移ってしまうでしょう。そして、それをきっかけに他の商品もそこで買うことになってしまうかもしれません。
検索件数の多いキーワードというのは、ほとんどの場合、あまり具体性のない抽象的な言葉になってしまいます。多くの検索件数を集められますが、その言葉を検索する人の中に本気で購入を考えている人は意外と少なく、ほとんどは調べ物感覚で検索している人達です。なので、検索件数の多いページで上位にランクインしたけれど、売り上げが思ったほど上がらない…というのもよくある話です。
一方、「パンテーン」のように検索件数の少ないキーワードの場合は、多くのお客さんが購入を前向きに考えている状態でやって来ます。もうダイレクトで購入しようとしている人や、他社製品と比較するにしても、候補をせいぜい2〜3つに絞ってかなり詳細な比較に入っている人です。なので、検索数は少ないかもしれませんが、そこから実際の購入に至る確率は「シャンプー」よりもずっと高くなります。
結局、検索件数の多いキーワードのページと少ないキーワードのページは、それらのページが担う役割が違うだけなのです。
検索件数の多いページでは、まだ買うべきものがわからないお客さんに対して、お役立ち情報を提供して知識をつけてもらい、少しでもあなたの商品やサービスを欲しくなるように方向づけを行うのが一般的です。それに対して、検索件数の少ないページでは、あなたの提供する商品やサービスの具体的な紹介とともに、購入ボタンなどのCall To Actionをつけて取引を完結できるような内容にしておきます。
お客さんにもいろいろなお客さんがいて、求める情報も様々です。その様々なお客さんのニーズに答えるために、「シャンプー」にも「パンテーン」にも手を抜かずにSEO対策を施す必要があるのです。
結局、SEO対策って何のためにやるんでしょうね…もちろん集客に効果があることは否定しませんが、それはあくまでも副次的な効果にすぎません。SEO対策を行う本来の目的を忘れて(あるいは無視して)集客に走ろうとするから、多くの人が迷走して何をやっているのかわからない状態になったり、世の中に集客をウリにした怪しいSEO対策業者がたくさん現れたりするのです。
では、SEO対策が必要な本当の理由は何でしょう?それは…
あなたの商品やサービスと、それを必要としている人を適切に結びつけること
です。とすると、あなたの管理しているWebサイトがお客さんのニーズに答えられていないなら、そこから改善を進めていくのが王道です。
つまり、コンテンツ作成の優先順位は検索件数の大小で決めるのではなく、お客さんが必要としているコンテンツから作成するのが正解です。同じくらい必要なページがいくつもあれば検索件数で優先順位を決めても構いませんが、それよりもお客さんのニーズが判断基準として常に優先されるべきです。
関連記事:
ロングテールキーワードでブログのアクセス数を増やす方法
ロングテールキーワードでコンバージョン率はどのくらい上がるのか?
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。