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BERTとは何か?Googleの新アルゴリズムアップデートへのSEO対策は…

BERTとは何か?Googleの新アルゴリズムアップデートへのSEO対策は…

10月22日に、GoogleがRankBrain以来の大掛かりなアルゴリズムアップデートである、BERTの導入を行いました。このBERTのアップデートは全検索ワードの10%程度で検索結果に影響が出ると言われています…

このBERT…まずは英語の検索クエリからアップデートが始まり、徐々に日本語の検索環境にも適用していくようです。いずれやってくる日本語環境へのBERTの導入に備えて、SEOに関わる人が知っておくべきBERTについての知識をまとめておきます…

BERTとは何か?

BERTとはBidirectional Encoder Representations from Transfomersの頭文字をとった略語です。ディープラーニングの手法を用いた自然言語処理のアルゴリズムで、昨年11月にオープンソースプログラムとしてGitHabでリリースされていました。詳しいことはGoogle AI Blogに記載されていますが、簡単に言うと…

堅苦しい言葉だけでなく話し言葉も理解できるようにするためのアルゴリズム

ということです。話し言葉には多くの省略語があったり、ニュアンスや文脈で意味を察してもらったりする部分が多くあります。今までは、このようなデータに表れない部分を機械が解釈するのは技術的に困難でしたが、BERT導入によりそこまでGoogleが理解して、よりユーザーの疑問に関連性の高い検索結果を出すようになるのです。

Googleはどんな状況でBERTを使うのか?

例として、「かれい」という単語を考えてみましょう。この「かれい」が何を表すのかというと…

  1. 歳を取ることを表す「加齢」
  2. 華やかで綺麗なことを表す「華麗」
  3. 魚の「鰈」

などの、全然意味の異なった単語が複数思い浮かびます。こんな時、人間なら前後の文脈で適切な意味を選ぶことができますよね。例えば、「かれい」の後に「現象」と来たら1番の意味、「かれい」の後に「煮付け」と来たら3番の意味…といった具合に。

でも、これまでのGoogleには、こうした文脈から適切な言葉の意味を選ぶことができなかったのです。その結果、ユーザーとしては3の結果が欲しいのに、1や2の結果ばかりが上位に表示されることがありました。このようなGoogleのタスクにおける技術的な限界が、今度のBERTアップデートで大幅に改善されるのではないかと期待できます。

あとはボイスサーチの結果も変わってくるでしょうね。検索ボックスにロングテールキーワードを打ち込む従来の検索方法よりも、ボイスサーチの方が話し言葉に近いです。将来的にボイスサーチの精度が上がってくれば、今後のSEO対策の方向性が大きく変わってくる可能性があります。

BERTの導入で検索結果にどんな影響が出るの?

これは僕の勝手な想像に過ぎませんが…ユーザーの検索意図をしっかり意識して書けているコンテンツには、BERTの導入で検索順位にそれほど大きな影響は出ないのではないでしょうか。なので、あなたが自信をもって書いたブログ記事がターゲットキーワードで大きく検索順位を落とすようなことは、あまり心配しなくても良さそうに思っています。

それよりも、ターゲットキーワード以外の検索ワードでの検索順位に影響が出るような気がしています。あなたもGoogleで検索をしていて、自分の知りたいこととあまり関係なさそうなコンテンツが上位表示されているのを見たことがありませんか?BERTはそんな検索をひっかけにくくしてくれて、本来早めにリストアップされるべきコンテンツが上位表示されるようになるのだろうと推測しているところです。

あとはBERTの導入により、検索ワードのタイプミスを修正能力は格段に上がることでしょう。こういった検索を含めて「全検索ワードの10%」で検索結果に影響が出るということなのだろうと、個人的には考えています。なので正直、僕自身今回のアップデートによる順位の変動はほぼ気にしていません(というか、いつも気にしていませんが)。

BERTの導入でRankBrainはどうなるの?

RankBrainは2015年に導入されたGoogle初の機械学習システムで、同じ意味を持つ複数の単語を1つに結びつけるものです。今回Googleが導入するBERTと役割がかぶらないので、RankBrainがBERTの導入によりなくなるわけではありません。むしろ、RankBrainに足りない部分をBERTで補うという感じでしょうか。これら2つのGoogle AIモデルは、共存して検索結果改善のために働くのです。

実はGoogleが最初じゃない!BingではすでにBERT導入済み

そんなわけで、今GoogleのBERT導入でSEO業界が盛り上がっています。でも実は、BERTの導入はGoogleが最初ではありません。Googleより半年も早い2019年4月、Bingを運営するマイクロソフトがBERTの導入をブログで発表しているのです。

Googleより半年も前に始めているのに話題にならなかったのは、SEO業界におけるBingの立場の苦しさを表しているようで、ちょっと悲しくもあります。でも、きっと今後DuckDuckGoなど他の検索エンジンにもBERTは導入されていくのでしょうね。

BERTの導入に対してやるべきSEO対策は何かある?

今回のBERT導入に対して、Webサイト管理者が行うべき対策は何もありません。というか、今後ますます小手先のSEO対策が通用しなくなっていくでしょう。純粋にコンテンツの中身で勝負する環境づくりをGoogleが目指しているからです。

あえて対策法を1つ挙げるならば、今後も質の高いコンテンツを数々生み出せるように努力することです。ユーザーの検索意図をしっかりと把握して、それに見合ったコンテンツをupし続けることが、今後インターネットビジネスで生き残るための前提になってくるでしょう。

関連記事:検索エンジンはユーザーの質問にどのように回答しているのか?

大堀 僚介(Ohori Ryosuke)

AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター

何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。

さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。

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大堀 僚介

全米コピーライター協会(AWAI)認定コピーライター SEO content institute認定SEOライター 何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。 さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。

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