モバイルファーストインデックスのSEO対策への影響と、全webサイトに求められる対応方法
2016年にGoogleがモバイルファーストインデックス( Mobile First Index、略してMFI)導入の方針を発表。2017年の終わりから徐々にMFIがテストされて、2018年3月28日に、Googleウェブマスター向け公式ブログで MFIの開始が正式に発表されました。それ以来、GoogleはMFIに関する新しい情報を随時更新してきています。
この記事ではそれらの情報をまとめて、MFIについて現在わかっていることや誤解されやすいことについて説明していきます。
目次
モバイルファーストインデックス(MFI)とは何か?
モバイルファーストインデックス(Mobile First Index、MFI)とは、スマートフォンでのGoogle検索が主流になった事実を踏まえて、Googleがコンテンツの評価を主にスマホサイトで行うとした方針転換のことです。新しく別のアルゴリズムができたというわけではなく、Googleがそのように方針の転換をしたということです。
モバイルファーストインデックス誕生の背景
スマホなどのデバイスでネット閲覧ができるようになってから、
- パソコン用サイトではデバイスサイズが合わずに、コンテンツの幅が画面幅を超えてしまう
- パソコン用サイトではフォントサイズが小さすぎて、モバイル端末で読みにくい
- データの読み込みスピードが遅くて表示に時間がかかる
などなど、webサイト作成者側にとって重要な問題が次々と認められるようになりました。これらの課題に対して、webサイト作成側はPCサイトの簡略版とも言うべきスマホ用サイトを別のURLで作成し、スマホで検索された時には自動的にスマホサイトに誘導されるようにして対応してきました。
一方、PCサイトとスマホサイトの別URLでの両立が多く見られるようになると、Googleにも新たな問題を生じます。それは…
PCサイトとスマホサイトのどちらを使ってコンテンツを評価するか?
ということです。一般的にスマホサイトは情報量が少ない分、ユーザーにとっての情報的価値がPCサイトより下がってしまいます。もしスマホサイトでコンテンツの価値を判断して検索順位を決めてしまうと、本来PCサイトをしっかり作り込んでいる業者にとって不公平なことになってしまいます。
スマホがそれほど普及する前は、PCサイトでコンテンツの価値を評価して検索順位に反映させていれば十分でした。しかし近年のように、ほとんどのユーザーがスマホから情報検索するようになると、Googleもスマホ検索に合わせて検索結果を調整しなければならなくなったのです。
こうした歴史的背景があってMFIは誕生しました。2019年7月1日以降、Googleがクローリングによって新サイトと認識したドメインにおいては、デフォルトでMFIが適用されるようになっています。
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昔からあるwebサイトでは、モバイルファーストインデックスはいつから適用されるのか?
でも、MFI導入以前からPCサイトとスマホサイトを持つwebサイトでは、MFIの適用がいつになるのかを確認する方法はありません。GoogleにMFIへの変更をお願いすることもできませんし、逆にMFIを無効化することもできません。
Googleはコンテンツのテキストやリンク、画像データに加えて、構造化データやメタデータなどを参考にして、MFIへの変更の可否を判断しています。該当するwebサイトがサイト単位でMFIに対しての準備が整っていると判断されたら、サーチコンソールを通じて管理者にMFI実施が通知されます。
いずれは全サイトでMFIが適用されることは間違いありませんが、今のところwebサイト管理者がMFIに急いで対応する必要はないとGoogleは考えているようです(追記:Googleの公式ブログで、2020年9月までに世界中の全webサイトにMFIを適用すると発表されました)。
モバイルファーストインデックス実装で考えられる影響
とは言っても、MFI実装に対してまったくの放置で良いかというと、そういうわけではありません。MFIへの移行を判断しているのは、あなたではなくGoogleだからです。
例えば、PCサイトとスマホサイトで情報量の異なるページがあったとします。この状態で、Googleからサーチコンソールをチェックした時に…
貴サイトはモバイルファーストインデックスに切り替わりました
と通知がきていたらどうなるでしょう?きっと情報量の少ないスマホサイトの内容を反映して、通知後に検索順位下落→トラフィックの減少という結果が待っていることでしょう。
こうした悪影響を避けるためにも、今後はPCサイトとスマホサイトではコンテンツが同じであることが求められます。他にもGoogleがサイト管理者に求めていることがいくつかあって…
- PCサイトにもモバイルサイトにもGooglebot(いわゆるクローラー)がアクセス/レンダリングできるようにする
- PCサイトとモバイルサイトで同じmeta robotsタグを使う
- PCサイトとモバイルサイトで同じ見出しを使う
- PCサイトとモバイルサイトで同じ構造化データを使う
などなど。もしあなたのサイトで思い当たる節があれば、なるべく早めの対策が望まれます。GoogleでもMFI登録に向けての対策方法を日本語で公開しているので、ぜひ下のリンクから本文をご確認ください…
モバイルユーザビリティーテストに合格しなくてもMFIに移行される
よくある誤解の1つとして、「Google Search Consoleのモバイルユーザビリティテストに合格しないページはMFIに移行しない」というものがありますが、これは間違いです。
実際、GoogleのJohn Muellerは、webサイトのモバイルユーザビリティーとMFIを完全に別のものと考えていて、Googleがクロールできて、モバイルデバイスに表示できるテキストはMFIに追加できると発言しています。
このビデオの41分くらいからJohnが説明しているので、一度ご確認ください。
So, first off, again mobile usability is completely separate from mobile-first indexing.
A site can or cannot be usable from a mobile point of view, but it can still contain all of the content that we need for mobile-first indexing.
An extreme example, if you take something like a PDF file, then on mobile that would be terrible to navigate. The links will be hard to click, the text will be hard to read.
But all of the text is still there, and we could perfectly index that with mobile-first indexing.
Mobile usability is not the same as mobile-first indexing.
つまり、モバイル端末でのレイアウトや使い勝手(レスポンシブデザインやAMP対応など)はMFIの登録に必須ではないということです。スマホ用webページが存在していなくても、モバイルユーザビリティーの診断結果が悪くても、スマホで表示できる限りMFIの対象になるのです。
SEO対策としてのモバイルファーストインデックスへの対応方法
上に挙げた「モバイルファーストインデックスに関するおすすめの方法」で、MFIに対応するために僕たちがやっておく方がいいことがリストアップされています。大まかにでも、このページに書かれていることを実践すれば、SEO対策としては十分ではないでしょうか。
ただ、今ここに書いてあることで完璧!というわけではなくて、時とともにMFI登録についての変更事項もアップデートされています。なので、今後も時々はこのページを訪れて、対策法に変更点がないかどうかを確認する方が良さそうですね。
大堀 僚介(Ohori Ryosuke)
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。
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