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RankBrain導入後のSEO対策:あなたがこれからやるべきことは…

RankBrain導入後のSEO対策:あなたがこれからやるべきことは…

2015年10月にGoogleがRankBrainを導入してから、もうすぐ4年が経過します。しかし今となっても、RankBrainは多くの謎に包まれていて、2019年現在でも専門家の間でも多くの議論がなされているところですが…

もしあなたがSEO対策に興味があって勉強しているなら、RankBrainがどういったものなのか、簡単にでも知っておいて損にはならないのではないでしょうか…

RankBrainとは何か?

RankBrainとはディープラーニングの技術を用いた一種の機械学習システムのことで、Googleに馴染みのない新しい検索クエリを関連性の高い他の検索クエリと結びつけてしまう、人工知能(AI)ベースの検索アルゴリズムを指します。このRankbrainの導入にはどんな意味があるのかというと…

世の中には、同じ意味を表す2つの言葉がたくさんありますよね。「バイク」と「単車」なんかは1つの例です。検索エンジンが未熟だった時は、Googleはこの2つの単語を全く別の意味を持つ言葉として扱っていたのです。その結果、ユーザーが「バイク」と検索した時には「単車」をターゲットキーワードにして作成したコンテンツが検索結果に表示されにくくなり、逆に「単車」で検索した時にも「バイク」のコンテンツはランクインされにくくなっていたのです。

ところがRankBrainの誕生によって、どちらも同じ意味を持つ単語であることがGoogleにも理解できるようになり、「バイク」で検索した時に「バイク」のコンテンツも「単車」のコンテンツも同じ扱いで検索結果に載せることができるようになったのです。ユーザー視点で考えると、検索環境を大幅に改善する画期的な発明ではないでしょうか?

RankBrainが新しい検索クエリを特定の検索結果と結びつける仕組みは?

Googleは、すでによく知っている人間、場所、物などの情報を数学的に処理して、特定の検索クエリに対してそれらの情報が検索結果へ反映されるようにひも付けしています。みんながGoogleを使ってよく検索しているキーワードであれば、Googleは自然と関連すると考えられるコンテンツを検索結果に反映するようにプログラムされているのです。

次に、こうして表示された検索結果の中から、ユーザーは自分の欲しい情報を選んでクリックします。この時Googleは、ユーザーの入力した検索語と、最終的にクリックしたページを分析して、特定の検索語で読まれやすいコンテンツを探し出して上位にランク付けするようになります。こうすることで、ユーザーが最も欲しがるだろう情報を1ページ目に表示させることができるようになり、ユーザーの満足度改善につながると考えられます。

ここでユーザーが、Googleにとって馴染みの薄い検索語を入力したとします。こんな時、最初はもちろんGoogleも戸惑い、その時点でGoogleが持っているデータを使って最善の検索結果をユーザーに返します。

それを見たユーザーは、きっと検索結果の1ページ目に満足しないで、2ページ目、3ページ目…と他のコンテンツを探す回数が増えていくはずです。そして、検索順位の低いコンテンツの中から見つけた関連性の高そうなコンテンツをクリックします。この時Googleは、同じように検索語とそのコンテンツの情報を分析します。

この時…上の「バイク」と「単車」の例に当てはめると、「単車」で検索してクリックしたコンテンツにも「バイク」という単語が含まれている可能性は高いですよね。そのデータをGoogleは積み上げていきます。そしてデータが集まると、

もしかして「バイク」と「単車」って関連性が高い?

とRankBrainが判断するようになり、徐々に「単車」で検索した時にも「バイク」のコンテンツが検索結果に反映されるようになります。

こうして、時代の流れとともにまったく新しい検索クエリが出現しても、Googleはユーザーの反応を見ながら少しずつ賢くなっていきます。初期にGoogleが出す検索結果がイマイチでも、多くのユーザーが新しい検索クエリを検索すればするほど賢くなって、やがてユーザーの求める検索結果を一発で出せるようになるでしょう。

Rankbrainとニューラルマッチング(Neural Matching)はどこが違うのか?

Rankbrainとよく混同されやすいものに、2018年に導入されたニューラルマッチング(Neural Matching)というものがあります。こちらもAIがベースとなったGoogleのアルゴリズムの一種です。Rankbrainとの違いは、Rankbrainが単語の概念に関するアルゴリズムで、ニューラルマッチングはユーザーの検索意図に関するアルゴリズムと言われています。

これもバイクの例で説明しましょう。Rankbrainのおかげで、今やGoogleは「バイク」と「単車」が同じものを表すことを理解しています。でも、検索ボックスに「バイク」と入力したユーザーと「単車」と入力したユーザー、本当に同じ情報を探しているのでしょうか?

試しに両方でググってみましょう。まずは「バイク」で検索した場合…

続いて、「単車」で検索した場合…

意外にも、まったく違う検索結果になりました。おかしいですよね?もしRankbrainが「バイク=単車」と把握しているなら、同じ検索結果になるはずじゃないですか?かと言って、Googleが「単車=バイク」と認識していないというわけでもなさそうです。右上に「オートバイ」についての解説が出ていますから…

実は、ここでニューラルマッチングが効いています。この結果の違いは、ユーザーが「バイク」で検索した時と「単車」で検索した時には、別の情報を必要としていることを示しています。

「バイク」で検索したユーザーはバイクの売買に対する情報を欲しがり、一方「単車」で検索したユーザーは単語の由来についての情報を欲しがる…こうした違いがおそらくGoogle内に蓄積されたデータに出ているのでしょう。そのデータに基づいて、Googleは同じ意味の単語の検索でも異なった結果を出しているのです。

つまり、Rankbrainは「新しい単語の意味をGoogleが正しく理解するためのアルゴリズム」であり、ニューラルマッチングは「検索クエリに隠れたユーザーの検索意図をGoogleが正しく汲み取って、適切な検索結果を出すためのアルゴリズム」というわけです。内容がかぶっているとかどちらが優れているとかいう話ではなく、両方が共同して働くことによって、適切な検索結果が出るようになっているのです。

RankBrainはGoogleのランキングシグナルなのか?

以前GoogleのGreg CorradoがBloombergのインタビューで…

RankBrainは3番目に重要なランキングシグナルである

という発言をして話題になりました。この発言の解釈には注意が必要で、彼は僕たちが使っているのと同じ意味でランキングシグナルという言葉を使っていません。

Google側の視点からすると、RankBrainは確かに検索順位決定に関与していることでしょう。上のバイクの例になぞらえるなら、「単車」という単語が世の中に普及する前と後では、Googleが出す検索結果は大きく変わっているはずです。そう考えると、間違いなくRankBrainはランキングシグナルの1つになりますし、3番目に重要なシグナルであるという発言もうなずけます。

しかし、通常僕たちが使っているような「検索順位を上下させうるWebサイトやページの特徴」と言う意味でとらえると、RankBrainはランキングシグナルにはなりません。そもそもRankbrainが威力を発揮するのは「Googleが知らない単語が検索クエリに使われた時」なので、今まで僕たちが普通に行っている検索に対してRankbrainが入り込む余地はないのです。

RankBrainの出現によるSEO対策への影響は?

RankBrainの目的は「ユーザーの検索意図に最も関連性の高い検索結果を結びつけること」なので、個々のキーワードよりもユーザーの検索意図の方が優先事項になりました。その結果、単に1つのキーワードについて対策をしただけのコンテンツでは、検索上位を獲得することが難しくなっています。

RankBrainの時代は、従来のような「1ページ1キーワード」は通用しません。今の時代風に言い換えるなら、RankBrainの時代は「1ページ1トピック」です。1つのキーワードについてコンテンツを作るのではなく、1つのトピックについて包括的にまとめられたコンテンツが求められているのです。

RankBrain対策用にコンテンツをどう最適化すればいい?

RankBrain対策用のコンテンツ最適化には、下にあげるようにいくつかの方法があります。

1. 自然な言葉でコンテンツを作る

以前行われていた「キーワード詰め込み」はもう古いです。キーワード出現率が◯%…そんな文章を改めて読んでみると、同じ言葉の出現率があまりにも高くて、文章に不自然さを感じるはずです。そんなコンテンツでは、お客さんが途中で読むのに疲れて、別のページに飛んで行ってしまう危険性が高くなります。

RankBrain側の観点からしても、キーワード詰め込みを行うと関連語とのつながりが弱くなってしまいます。最初の例をそのまま使うと、せっかくRankBrainになったのに、「単車」で検索された時に「バイク」で対策されたコンテンツが検索結果に引っかからなくなってしまうのです。これって、もったいないですよね?

関連記事:キーワード詰め込みコンテンツ:Googleは時に検索順位を…

2. お客さんの検索意図を理解してコンテンツを作成する

前の項目で説明したように、RankBrain導入の目的は「ユーザーの検索意図に最も関連性の高い検索結果を結びつけること」なので、お客さんが検索する目的をしっかり認識してコンテンツを作らないと上位表示は望めません。これからの時代、単にキーワードリサーチをするだけでなく、そのキーワードを検索するお客さんの意図を推測する作業が僕たちに求められているのです。

問題は「どうやってその意図を把握するか?」ですが…実はそんなに難しくありません。Googleで標的のキーワードを検索して、そこに出てくるオーガニック検索上位のコンテンツに注目してください。これらのコンテンツはGoogleに「お客さんの検索意図と関連性が高い」と判断されているコンテンツであり、実際にお客さんによく読まれているコンテンツでもあります。

これらのコンテンツを分析することで、お客さんがどんな情報を求めているのかを知ることができるはずです。その結果に基づいて、あなたオリジナルの情報を含んだコンテンツを作成すれば、検索結果1ページ目へ表示される可能性はグンと高まるはずです。

3. スニペットをチェックする

RankBrainはコンテンツの中身だけでなく、検索結果画面からのユーザーのクリックも分析対象としています。当然、クリックの多いページは検索上位に行きやすく、低いページは順位を落としてしまう可能性が高くなります。

というわけで、お客さんにあなたのページを多くクリックしてもらう(ちょっと専門的に言うとクリック率:CTRをあげる)ための対策が必要になります。お客さんは検索結果画面のスニペットを読んでクリックするかどうかを判断しているので、スニペットの最適化も非常に重要な対策となります。

Google Search Consoleを開いて、あなたのWebサイト全体のクリック率を調べてみましょう。クリック率の低いページがあれば、スニペットの改善で検索順位の上昇が期待できます。

4. これらの改善をひたすら繰り返す

SEO対策の世界は、一度完璧に最適化したからずっと万全!というような甘い世界ではありません。お客さんの興味はどんどん変わっていくので、それに合わせてあなたのコンテンツも調整していかなければなりません。また、将来強力なライバルが現れて、あなたのサイトを脅かす存在になるかもしれません。

なので、あなたは日々業界の動向、お客さんの興味をチェックし続ける必要があります。お客さんの興味が移れば新たな情報を発信し、新たなライバルが出現したらそこに負けないコンテンツを作り出し…検索ランキングトップ10入りは華やかな世界に映るかもしれませんが、その背後にはこうした日々の地道な作業があるのです。

関連記事:BERTとは何か?Googleの新アルゴリズムアップデートへのSEO対策は…

大堀 僚介(Ohori Ryosuke)

AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター

何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。

さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。

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大堀 僚介

全米コピーライター協会(AWAI)認定コピーライター SEO content institute認定SEOライター 何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。 さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。

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