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ネットショップのSEO対策|なぜ情報提供コンテンツも必要なのか?

ネットショップのSEO対策|なぜECサイトにも情報提供コンテンツが必要なのか?

Amazonや楽天のような知名度の高い通販サイトになると、今回お話しするような対策は必要ないのかもしれません。でも、もしあなたがインターネットでネットショップをやっていて、もっと自社の検索ランキングを上げたいと考えているなら、きっと今日の話は参考になると思います。それはどんな話かというと…

というお話。元ネタはSearch Engine LandのCase study: The true value of informational content for e-commerce SEOというページで、あるECサイトが情報提供コンテンツを一斉削除した結果起こった急激な検索順位低下と、そこからの順位回復方法、そして検索順位低下の原因についての考察を、日本語に訳してあなたにお伝えします。

ECサイトから情報提供コンテンツを一斉削除したら、数週間後にサイト全体のトラフィックが3分の1以上失われた

そのECサイトとは、2011年に立ちたがった60,000の商品ページ、80のカテゴリーページを持つECサイト。適切なSEO対策を施すことによって2017年頃からwebサイトのトラフィックが増加していき、2018年のMedic updateで一旦減少したものの、2019年のCore updateで回復したという背景があります。

引用:Search Engine Land. Case study: The true value of informational content for e-commerce SEO

このサイトを管理する会社を仮にA社としましょう。このA社、2019年の後半に、あるビジネス上の決定に基づいて、ECサイト内に25ページある情報提供ページからホームページにリダイレクト設定をするという措置を行ないました。その措置の前後数週間ずつは、それ以外webサイトに他の変更は加えられなかったそうです。

簡単に言うと、ここで行われた措置は…

60,000ページ以上ある全webサイトから、たった25ページほどしかない情報コンテンツを削除した

ようなものです。厳密に言えば完全にコンテンツが消去されたわけではありませんが、ユーザーにとってもGoogleにとっても、それらのコンテンツは削除されたものと同じ扱いになります。

この措置によって、A社のもつECサイトはどんな状態になると思いますか?いくら情報的価値の高いコンテンツだったとしても、全部で60,000以上あるコンテンツのうちのたった25ページですから、被るダメージはたかが知れているだろう…おそらくA社の役員もそう思ったはずです。

ところがその結果は、A社の予想をはるかに上回るものでした。その10日後に情報提供コンテンツ全25ページがGoogleの検索結果画面から消失。その後2週間で、そのECサイトは以前の全トラフィック数の3分の1以上を失ってしまいました。

引用:Search Engine Land. Case study: The true value of informational content for e-commerce SEO

それまで検索ボリュームの大きいビッグキーワードで検索1位をキープしていたホームページやカテゴリーページのいくつかも、検索順位を大きく落としてしまいました。削除された25ページのトラフィックはECサイト全体の1%程度しかなかったことを考えると、あまりにも大きすぎる損失です。

情報提供コンテンツを戻すだけで、数週間後にはトラフィックが元通りに回復

ここまでの流れを読んで、もしかしたらあなたは…

それって、たまたまGoogleのアルゴリズムアップデートに時期が重なっただけじゃないの?

と思うかもしれません。その推測は一理あって、もしそうであれば、ネット上から削除された情報提供コンテンツはこの悲劇的な結果に全く関係がなかったことになります(ちなみにこの期間、Googleからのメジャーなアルゴリズムアップデートのアナウンスはありませんでした)。

A社の役員も、きっと同じことを考えたのでしょう。それを確かめるために、情報コンテンツの削除から3週間後、A社はリダイレクトの設定を解除して25ページのコンテンツを復活させてみることにしました。

するとその3週間後、ECサイトのトラフィックはほぼ完全に元通りになり、検索順位を落としていたホームページやいくつかのカテゴリーページも、元の検索順位をほぼ回復したとのことでした。

引用:Search Engine Land. Case study: The true value of informational content for e-commerce SEO

なぜ情報提供コンテンツの有無がwebサイト全体のトラフィックに大きく影響するのか?

問題は、なぜ情報提供コンテンツの削除がECサイトで大幅なトラフィックにつながったのか?ということです。元記事の著者であるEoghan Henn氏は、その理由の1つに情報提供コンテンツに貼られた外部リンクの影響を挙げています。

外部リンクを貼られるということは、世界のどこかでそのページを「役に立つページ」と認めてくれたことを表します。外部リンクの増加は、そのページが多くの人の役に立ったことを表し、そこをGoogleが高評価することによりwebサイト全体で好ましい検索順位が与えられるものと考えられています。

こうした理由から、外部リンクを貼られている情報提供コンテンツを削除することは、webサイト全体で検索順位に悪影響を与える可能性があるのです。もしあなたが同じような境遇に当たったら、この点を絶対に忘れずに最善の判断をしてください。

ただA社の場合…情報提供コンテンツは完全削除ではなく、ホームページへのリダイレクトになっていました。他のページに適切にリダイレクトされていれば、元のページが持っている外部リンクの効果はリダイレクト先のページにそのまま引き継がれるはずですよね…

実は、リダイレクトについてあまり知られていない重要な事実が1つあります。それは…

元のページと関連性の薄いページへのリダイレクトは、Googleにとってはゆるい404の意味をもつ

ということです。404とは、存在しないページにアクセスしようとしたときに表示されるHTTPステータスコードのこと。元ページと関連性が薄いホームページやカテゴリーページへリダイレクトを設定しても、Googleはそれを評価せず先のページがないものとして判断するのです。

このビデオの6:30頃からJohnのコメントが始まります。

つまり、A社の場合、情報コンテンツからホームページにリダイレクト設定したことにより、Googleは情報提供ページを削除したものと判断した。その結果、情報提供ページに貼られていた外部リンクの効果を失って、サイト全体で大幅な検索順位下落を引き起こしたということになります。

ということで、この元記事の結論は…

たとえECサイトであっても情報提供コンテンツは必要

ということでした。オーガニック検索で検索上位を狙うなら、ECサイトでも外部リンクを多く貼ってもらえるような情報提供コンテンツをつくっていく必要があるのです。

あなたは自分のサイトに情報提供コンテンツを入れたいと思いますか?

ここからは元記事から離れて、あなた自身のことを考えてみてください。あなたは自分のwebサイトに、こうした情報提供コンテンツを入れたいと思いますか?

もしあなたがネットショップをやっているなら、情報提供コンテンツについて次のような反論が頭の中に湧き出てくるのではないでしょうか?

  • ネットショップに情報オンリーのコンテンツを入れるのは変だ
  • 情報ページがなくても、商品ページだけで検索上位は獲れるはず
  • 質の高い情報提供コンテンツを外注すると、恐ろしく高くつく
  • 情報提供ページから直接購入につながりにくい

などなど。まあ、4番目の指摘は実際その通りで、情報を取りに来たユーザーはそこで満足して、そのまま商品やサービスを購入する確率は低いです。

でも、ネットショップは商品ページだけで本当に検索上位を獲れるのでしょうか?確率がゼロとは言いませんが、実際は非常に厳しいです。なぜなら、そのようなサイトにはいわゆるE-A-T(専門性・権威性・信頼性)がないからです。

Amazonや楽天はなぜ情報コンテンツなしでも検索トップを獲れるのか?

こう言うと、じゃあ何でAmazonや楽天は情報ページなしで検索トップを獲れるのか?という人がいます。確かにAmazonや楽天は、情報提供コンテンツなしでも多くの商品ページで検索トップを獲っています。

なぜこうなるのか?というと、答えは簡単。実際にとてつもない数のユーザーが、自ら検索してサイトにやって来るからです。それだけで、Amazonや楽天がユーザーに信頼されているのがGoogleにもわかります。

では、Amazonや楽天がユーザーの信頼を獲得するのに何をしているのかを見てみましょう。圧倒的に豊富な品揃えに加えて、どこよりも安い値段設定、最短で当日中の配送…これらのサービスを確実に実行するために、情報コンテンツを10本や20本外注するどころでは済まないくらいのお金がかかっているのです。

Amazonや楽天と同じこと、あるいはそれ以上のことができるというなら、あなたもそうすれば良いでしょう。でも、ほとんどのネットショップにはAmazonや楽天とガチで勝負するという選択肢はないはずです。

ならば、ユーザーの信頼を得るために情報コンテンツを上手に使っていくのも、サイト全体として多くのトラフィックを集めるための1つの手として考えてみてもいいのではないでしょうか?

確かに商品やサービスの購入には直接結びつきにくいですが、買う前のお客さんの疑問解消や購入後のアフターサービスのためのコンテンツにすればお客さんの不安も取れるし、あなたも同じ説明を何度もするような手間を省けますよ。

P.S. 元記事に出てきたA社の情報コンテンツ…25ページでサイト全体の1%のトラフィックを集めていたとありましたね。

単純計算すると60,000ページの1%は600ページ。25ページで600ページと同じ集客力ですから、情報ページが商品ページの24倍もの働きをしてくれていることになりますよね。これもこれでスゴいことじゃないですか?

P.P.S. あなたの管理している通販サイトを、Amazonと同じように多言語化したいと思ったことはありませんか?実は、プラグイン を1個インストールするだけで簡単にできてしまうんです。その方法を知りたければ…

>> WordPressサイトをプラグイン で多言語化する最も簡単な方法

大堀 僚介(Ohori Ryosuke)

AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター

何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。

さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。

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大堀 僚介

全米コピーライター協会(AWAI)認定コピーライター SEO content institute認定SEOライター 何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。 さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。

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