サイトの質評価でGoogleが重視するE-A-T…改善のためにあなたにできることは?
今年8月1日にGoogleがアルゴリズムのアップデートを発表してから、約2ヶ月が経過しました。そろそろアップデート後の検索順位も固定してきたと思いますが、あなたのWebサイトでは順位変動がありましたか?
もし大きくランキングを落としたということなら、同じ頃に公表された新しい検索品質評価ガイドラインに解決のカギがあるかもしれません。どういうことかというと…
目次
これまで以上にE-A-Tがコンテンツの質判定に重要となりました。その理由は…
このガイドラインには、今後Googleはコンテンツの評価のために、E-A-Tと呼ばれる3つの項目をより重視すると明記されています。そのE-A-Tとは…
E(Expertise):専門性
A(Authority):権威性
T(Trustworthiness):信頼性
を表します。今のところE-A-Tの評価だけで検索順位を落とされるということはないようですが、少なくともE-A-Tの評価が高いサイトに上位表示のチャンスが多くなることは間違いありません。
そして新しいガイドラインでは、このE-A-Tによる評価をサイト単位だけでなく、コンテンツの作成者1人1人にも当てはめることが記されています。なので、今あるブログ記事のランキングだけでなく、今後あなたが投稿する記事で上位評価を得るためにも、今後あなた自身のE-A-Tを高めていくことがSEO対策として重要になってくるのです。
関連記事:今後の検索結果に影響?GoogleのSearch Quality Rater Guidelinesの変更点
あなたやWebサイトのE-A-Tを高めるために何ができるか?
では、これからあなたやWebサイトのE-A-Tを高めるために、今すぐできることをいくつかご紹介します…
1. Webサイト上のすべてのコンテンツに作者名と経歴を載せる
最新のガイドラインには、
Webサイトの責任者が誰か?を理解することが、E-A-Tを評価するのに絶対必要である
と明記されています。特にYMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる分野のサイトでは、このE-A-Tを厳しく評価されます。YMYLと呼ばれる分野には、金融・医療・法律など、特に専門性が高くユーザーの生活に大きな影響を与えるトピックが含まれます。これらの領域では特に、専門家による信頼性の高い記事でないとGoogleに判断されれば、そのページは検索結果ページ(SERPs)からはじかれてしまうかもしれません。
というわけで、今後投稿するブログ記事には(もちろん、可能な限りで過去のブログ記事にも)、記事作成者の名前とその分野に関する経歴を表示させる必要があります。商品紹介ページだと商品の開発者、ランディングページなら営業の責任者、となるでしょうか…そのページの責任者についての情報が求められているのです。
もしブログ記事の作成者が2人以上いるのなら、それぞれの記事に対して作者の名前と経歴が必要です。もし作成者がGoogleに認識できないページ構造になっていれば、Googleはそのページに「最も質が低い」と判定を下すことになります。
2. 専門性を証明できるものを提示する
もしあなたがコンテンツに関する専門知識を持っていて、それを証明できるものがあれば、それをサイト上に提示することでE-A-Tを高める効果が期待できます。学位や資格、認定など、ユーザーの視点であなたの信頼性をアピールできるものがあれば、経歴と一緒に提示することをおすすめします。
もしそれらがインターネット上で検証できるものであれば、非常に好都合です。例えば、僕はSEO対策用のコピーライティングの技術を世界トップレベルの専門家に認定してもらっているのですが、僕が本当に認定を受けているかどうかをネットで検証することが可能です。認定を出してくれた相手の方も、僕に認定を与えたことをWebサイトに載せてくれているからです。
これを利用して、僕は自分の経歴から認定を証明するページにリンクを貼っています。こうすると、お客さんだけでなくGoogleも僕の専門性を認識しやすくなるので、Googleの僕に対するE-A-Tの評価が早く高まるのです。
3. E-A-Tの低いページを作り替える or 削除する
1つの例として、2人のブログ著者(AさんとBさん)がいるサイトを想像してください。AさんのE-A-Tは高く、BさんのE-A-Tは低いとします。この場合、そのサイトのE-A-Tはどのように評価されるのでしょうか?
ガイドラインによると、Googleはコンテンツをページごとに評価するので、BさんのE-A-Tが低いことでAさんのコンテンツ評価に直接影響はありません。ただ、そのWebサイト全体として考えると、Bさんの低評価に引っ張られて、WebサイトとしてのE-A-Tは低くなってしまいます。
なので、もしあなたのサイト内にE-A-Tが低いと考えられるページがあるなら、そのページを作り替えるか、削除することも考えていかなければなりません。例えば、あなたのサイトで医療情報を提供しているなら、その医療記事を専門の医師に書いてもらう必要があるということです。
ただ、医療に関わる情報はすべて専門医でないと作成できないのか?というと、実はそうでもありません。ちょっとややこしいのですが、医療の素人が書いた記事でもGoogleに高品質と判断される場合があるのです。
例えば、ある医療行為に対する自分の経験をブログで語る場合。この場合、そのブログの主題は専門知識の提供ではなく、治療を受けた経験になります。その経験は記事作成者個人のものであり、著者はその経験をした第一人者として体験談や感想を語る資格が生まれます。
具体例をあげますね。もし、あなたが自分のブログでこんな記事を書いていた場合…
ロキソニンには、病気を治す効果はありません。飲み過ぎても病気が治らないばかりか、腹痛などの副作用を起こす危険性もあります。くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。次の内服までは最低6時間程度は空けるようにして、多くても1日3回くらいまでにすべきです。
この文章は専門的要素が強く、あなたが医者でない限り(さらに、あなたが医者であることがネット上で証明されない限り)その記事のE-A-Tは低くなるでしょう。
ところが、この記事をこう言い換えたらどうでしょうか?
この前39℃の熱が出て、すごく頭が痛かったから、病院に行ってロキソニンをもらってきたんです。でも、ロキソニンを飲んでも効いてるのは2-3時間くらいで、すぐにまた熱が上がって頭が痛くなるんです。だから1日に5回も6回も飲まなきゃいけなくて…でもなかなか治らないばかりか、そのうちお腹まで痛くなってきたんです。
我慢できなくなって同じ病院に行ったら、先生に「たくさん飲んでも早く治るわけではない」と言われました。腹痛もロキソニンの飲み過ぎでよく起こるらしく、「血を吐いた人もいる」らしいです。だったら最初からちゃんと説明してくれよ…って感じでした。
こう書くと、その記事のテーマは専門的知識の披露から個人の体験談にかわります。個人の体験談は本人しか語れない絶対的なものですので、Googleはこのコンテンツを「質が高い」と評価する可能性が出てくるのです。
あなたの公開した文章の中で、もしYMYLに相当するページがあるのなら、上の例のように「体験談に作り替える」というのは改善方法の1つとして有効です。「記事を削除するのが惜しい」とか、「すぐに専門家を連れて来れない」といった場合には、その記事を体験談に作り替えられないか検討してみるといいでしょう。
4. Webサイトのセキュリティー対策を進める
E-A-Tの最後にあるTrustworthiness…信頼性を求められるのは、コンテンツの文章だけではありません。
あなたがインターネットで本を買おうとした時、もし「そのサイトでクレジットカード番号が盗まれるかも」と言われたら、あなたはそこで買い物を続けますか?このような「個人情報が盗まれる危険性の高いサイト」も、クオリティーの低いサイトとして認定されうる典型例です。
Google Chromeでは、SSLに対応していないHTTPページに対してユーザーに警告を出すようになっています。SSL(Secure Sockets Layer)とは、インターネット上でのデータのやりとりを暗号化して行うプロトコールのことです。インターネットで情報を送信するときにデータが暗号化されるので、途中でハッカーにデータを盗まれても悪用されなくなるのです。
SSL非対応のサイトを開くと、Chromeはユーザーにそのページが安全ではないことを伝えてくれます。
今のところ、SSL非対応という理由だけで検索順位を落とすという対応をしていないようですが、サイトに対するE-A-Tの評価が低くなることは十分想像できます。将来的にGoogleはセキュリティーのしっかりしていないサイトをSERPsに表示させないという対応を取る可能性がありますし、今検索トップ10にランキングされるページのほとんどがSSL対応済という情報もあります。
もしあなたのWebサイトが今SSLに対応していないなら、これはもう必須事項と割り切ってSSL対応サイトにすることを強くおすすめします。
5. コンテンツに対する第三者の評価を得る
E-A-Tを高めるために最後に必要なのは、他のユーザーからコンテンツの評価をしてもらうことです。アマゾンの商品レビューと同じです。実際に購入したユーザーから高評価であれば、あなたも安心して購入ボタンをクリックできますよね。評価が逆であれば、他の商品を探しに行くはずです。
あなたが作ったコンテンツに対するユーザーの評価が高ければ、そのコンテンツは同じ問題で困っている他のユーザーにも推薦できるということになります。一方評価が低い、あるいは評価が不十分なサイトはGoogleも他人におすすめしにくくなります。
これも今のところ直接のランキングファクターではありませんが、今後Googleは検索順位決定のために「他のユーザーからの評判」を今より重要視する可能性があります。その時に備えて、今からでもお客さんの評価を集めて、至らなかった点の改善に努めてはいかがでしょう?
関連記事:WebサイトのE-A-T(経験・権威性・信頼性)を高める唯一確実な方法
自分のE-A-Tを調べる方法はあるの?
残念ながら、現時点で自分のE-A-Tを直接調べる方法はありません。なので僕たちは、自分のE-A-Tが良くなると信じながら、濃霧の中を手探りで進むように対策を施していくしかありません。
一方WebサイトとしてのE-A-Tなら、間接的にですが調べる方法はあります。MozのLink Explorerというサービスを使うと、Domain Authority・Page Authorityという数値が100点満点中のスコアとして確認できます。Googleが出す正式な指標ではありませんが、これらのスコアをいわゆるWebサイト・特定のページのE-A-Tを反映しているものと考えて問題ありません。
Domain Authority・Page Authorityともに、WebサイトのE-A-Tを高めていくためにフォローする価値のある数値だと思います。無料アカウントを登録すれば使えるようになりますので、間接的にでも自分のサイトのE-A-Tを知りたければ、ぜひ使ってみてください。
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大堀 僚介(Ohori Ryosuke)
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。
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