WordPressは今世界で最もポピュラーなCMSで、今では全世界にあるWebサイトの30%以上がWordPressで作られていると言われています。初心者でも扱いやすく、小さなお店や個人事業主のWebサイトから一般企業のWebサイトまで、さまざまなデザインや機能をもったWebサイトを作れるところが、WordPressの大きな魅力の1つです。
WordPressでは、テーマと呼ばれるデザインのファイルを別にインストールしてWebサイトを作成します。このテーマが、あなたが作るホームページの見た目や機能をある程度決めることになります。すでに世界中のデザイナーが無料・有料含め数えきれないほどの種類のテーマを作ってくれています。なので、時間をかければきっとあなたもイメージにあったテーマを見つけることができるでしょう。
でも、ここに大きな問題が1つあります。何千、何万とあるテーマの中から、どうやって1つを選びましょうか?気に入ったものを1つ見つけるだけでも大変ですが、実際に使ってみないとわからない大きな欠陥が隠れていたりすることも少なくありません。
目次
後悔しないためのWordPressテーマの選び方7つの基準
残念ながら、有料無料を問わず全てのテーマが一定の水準を持っている…ということではないのです。質の低いテーマというだけならまだしも、中にはそれを通り越して絶対に使っちゃいけない危険なテーマもあるようです(幸い僕はそんなテーマに出会ったことはありませんが…)。
というわけで、今回はWordPressでWebサイトを初めて作る人を対象に、テーマ選びで失敗しないための7つのアドバイスをしたいと思います。
1. 一発で正しいテーマを選ぼうとしないこと
特にあなたがWordPress初心者なら、Webサイトの作り方についてある程度の勉強期間を見込んでおくほうがいいでしょう。最初に思い描いた理想のWebサイト…すぐに思い通りのものが作れるということは、まずありません。また、一旦出来栄えに満足したとしても、しばらく使っているうちに物足りなくなってきたり、デザインを変えてみたくなったりすることはよくあります。
実は僕もここで失敗をして、2万円ほどのお金をドブに捨ててしまいました。もしあなたが初めてWebサイトを作るのであれば、特別な事情がないかぎり無料のテーマから始めることを強くおすすめします。無料のテーマでもなかなか高機能なものもありますし、追加機能をプラグインで付け足したりしながら無料とは思えないようなビジネスレベルのWebサイトを作ることは十分可能です。
まずは無料テーマでホームページを作ってみましょう。しばらく使っていると、きっとデザインで不満な点や追加で欲しい機能がはっきりしてきます。その時が、レベルを1段階上げて高機能の有料テーマにチャレンジする時です。
2. 見た目だけでテーマを選ばないこと
Webサイトの見た目が重要なのは否定しませんが、見た目だけでテーマを選んではいけません。というのは、テーマによってあなたの欲しい機能がついていたり、ついていなかったりするからです。
幸いWordPressでは、あとからプラグインを追加することで、最初になかった機能を追加することができます。だからデザイン重視の人は、デザインを基準にテーマを選んで、プラグインを後付けしてWebサイトの機能を高めていこうとします。
この方法、僕の経験上問題点がいくつかあります。
2-1:プラグインのデザイン変更は面倒
例えば、プラグインでメールアドレス取得用のオプトインフォームを付け加えたり、Facebookなどでシェアしてもらうためのソーシャルアイコンをつけたりすることができます。でも、実際つけてみると今までのWebサイトのデザインとマッチしなかったり、プラグインで追加されたパーツの色やフォントが気に入らなかったりすることがよくあります。
こんなとき、追加されたパーツのデザインを変えて、自分のWebサイトのデザインとうまく調和させたいと思いますよね?でも僕の経験上、初心者にとってプラグインのデザイン変更は面倒で敷居が高いです。この原稿を書いている今の僕の実力ではできませんし、おそらく今後もトライしようとは思わないでしょう。なぜなら、元々のテーマのコード(いわゆるプログラム)を書き換えてデザインを整える方が簡単だからです。
2-2:テーマと相性が悪いプラグインがある
WordPressで使うテーマとプラグイン、どちらも世界中のたくさんの人が独自に開発・リリースをしています。ということで、全く関係ないところで作られた2つのものを合わせた時、マッチングが悪くてWebサイトを壊してしまうことがあるのです。
そんな場合、多くはプラグインを停止すれば元に戻ります。でも時にはそれで影響がとれずに、テーマをごっそり入れ替えるなど大掛かりな処置が必要になる場合があるようです。
2-3:プラグインの数が多くなるとWebサイトの表示時間が遅くなる
プラグインはとても便利なので、ついつい気に入ったものを見つけてはどんどん付け足してしまいます。でも、プラグインを足せば足すほど、ブラウザにとって情報量が確実に増えます。その分、Webサイトを開いた時にきちんと表示されるまでの時間が長くなってしまうのです。
ページの表示時間は、Googleでそのページの価値を判断する基準の1つとして採用されています。何も考えずにプラグインを追加していくと、いつの間にか表示時間がGoogleの基準を超えてしまい、SEO対策としてまずいことになってしまう可能性があります。
これらのトラブルをできるだけ避ける意味でも、欲しい機能ができるだけ多く含まれているテーマを選んでおく方がリスクが断然少ないと言えます。
3. 信頼できる開発者からテーマを手に入れること
本当にたくさんのテーマがあれば、それを開発した人もたくさんいます。そして残念ながら、すべての開発者が同じように信頼できるわけではないのです。
あなたはきっと、2万円もする有料テーマなら高機能で安心して使えるはず…と思っているでしょう。でも、インターネットの世界は簡単に人をだませる世界でもあります。大した機能もないのにやたらと値段が高いテーマもあれば、あなたに気づかれないところでウイルスを忍ばせたり、不正な隠しリンクをつけてスパム行為をしていたり…
そんなひどいテーマをつかまないためにも、ウェブ検索を駆使して多くのユーザーの声を聞きましょう。その開発者を信頼できる要素はどこにありますか?使っているユーザーの数が多い、サポートがしっかりしている、などなど…開発者の顔が見えないからこそ、ユーザーの率直な感想が貴重な判断材料になります。
4. レスポンシブ対応テーマを選ぶこと
最近はパソコンからではなく、スマホやiPadを使ってインターネットを楽しむ人が増えてきました。そこで今は、これらモバイルデバイスで表示させてもキレイに映るWebサイトが求められています。でも、残念なことに一部のテーマでは、パソコンで表示させると大丈夫なのにiPhoneではデザインがガタガタに崩れてしまうものがあるのです。
これを解決するために開発されたのがレスポンシブ対応テーマです。パソコンでもスマホでもタブレットでも、それに合わせて自動的にデザインが変わるようにプログラムされています。これがあれば、わざわざスマホ用に別のWebサイトを作らなくても大丈夫、というわけです。
もう最近はこの問題はデザイナーに周知されていて、比較的新しいテーマはほぼすべてレスポンシブ対応になっていると思います。ただ、昔に作ったテーマでそのまま放置されているものもありますし、レスポンシブ対応でも自分のイメージ通りに表示されない場合もあります。レスポンシブ対応テーマでも安心せず、インストールした後必ず自分のスマホやタブレットでレイアウトをチェックをするようにしましょう。
もしあなたの手元にスマホやタブレットがなければ、こんな方法でもレイアウトをチェックすることもできます…
Super Clear Contentsのレスポンシブデザイン:Image made by Am I Responsive?
5. 購入前にデモ体験をすること
特に有料テーマを買う前には、デモ体験をして自分の目で使い勝手を確かめましょう。ホームページやブログページ、ランディングページ、商品購入ページなど…デザインだけでなくフォントが読みやすいか、お客さんにとって使いやすいかどうかなど、調べるポイントがいくつかあります。どこまでの機能が追加料金なしで使えるのかを確認するのも、大切なチェックポイントの1つです。
6. アップデートの有無を確認すること
幸いあなたの気に入ったテーマが見つかって、無事インストール終了してひと安心…いえいえ、まだ安心するのは早すぎます。
何が問題かというと、サイバーセキュリティーです。あなたがWebサイトを持ったその瞬間から、そのサイトが世界中のハッカーから狙われるようになると言っても過言ではありません。ここを怠ると、ある日あなたのWebサイトが跡形もなく荒らされていたり、ウイルスに感染してしまったり、大切なお客さんの個人情報を盗まれてしまったり…
こういったサイバーアタック対策として、WordPressは日々プログラムの脆弱性の解決に取り組んでいて、随時最新のWordPressが無料で提供されます。テーマ開発者も、しっかりしているところは同じようにセキュリティー対策に力を入れていて、随時更新用ファイルを無料で提供してくれます。でも、もしあなたの使っているテーマが何もしてくれなかったら…何も起こっていないうちに別のテーマを探す方がいいのではないでしょうか。
関連記事:WordPress自動更新を設定する方法
7. 最後に見た目…あなたならどうする?
かたや、どこに行ってもよく目にするありふれたデザインのテーマ。かたや、斬新なデザインで世界でただ1つのWebサイトが作れるオリジナリティーあふれるテーマ。あなたならどちらを選びますか?
この2つのテーマ、どちらも良いところと悪いところがあります。ちょうど裏表の関係です。どういうことかというと…
ありふれたデザインのテーマは、お客さんの目には平凡にうつり、面白みがないかもしれません。でも、ほかにも多くの人が使っているデザインなので、どこにどんなリンクが貼ってあるかお客さんは直感的にわかっています。だから、お客さんは自分の行きたいページにスイスイ行けて、全くストレスなくネットサーフィンを楽しむことができます。
一方斬新なデザインのテーマは、とにかく見た目のインパクトが強烈です。ホームページが表示された瞬間、お客さんにはあなたのブランドが強烈に印象づけられます。でも、そこから別のページに行きたい場合、お客さんはどこにリンクが貼ってあるのか上から下まで探さなければなりません。うまくリンクを見つけられないと、だんだんお客さんはイライラしてきます。そしてついには、もう探すのをあきらめて別のサイトに行ってしまうのです。
つまり、「使いやすさ」と「見た目のインパクト」のトレードオフです。ウェブデザインの決定には、こういう側面もあるのです。例えばあなたが使いやすさを強く重視したデザインを採用したとします。そうすると、そのままだとWebサイトの印象がどうしても弱くなってしまうのです。では、その弱点をどうカバーしましょうか?そんなことも考えながら、あなたのWebサイトに最適なテーマを1つ選んでください。
関連記事:Webサイト配色の法則:ブランド力を高めるカラーパターンの決め方
それでは、今回の記事のまとめです…
あなたのWebサイトに最適なWordPressテーマを選ぶには…
- 最初から完璧を求めないこと
- 見た目だけでなく機能も求めること
- 信頼できる開発者のテーマを探すこと
- レスポンシブ対応テーマを選ぶこと
- デモ体験をして使い勝手を確かめること
- サイバーセキュリティーがしっかりしていること
- Webサイトを訪れるお客さん側の視点を持つこと
あなたのWebサイト…ただビジネスの道具として考えればそれまでです。でも、自分の子供のように成長していくものと考えると、我が子の成長を見ていくような楽しみが生まれてきます。ぜひあなたにもWebサイトの作成・成長を見守る楽しみを味わっていただけたら…と思います。
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大堀 僚介(Ohori Ryosuke)
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。
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