E-A-Tとは、英語でExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の3つの頭文字をとった造語です(読み方はそのままイー・エー・ティーでOKです)。2018年に行われたGoogle検索品質評価ガイドラインの改定から、SEO対策に関わる多くの人にとって注目すべき最重要語の1つになってしまいました。
ただ残念なことに…
Googleがアナウンスする情報からはE-A-Tをどう解釈すればいいのか、どのように対策をとれば良いのかがはっきりと見えてきません。そのため、多くの専門家がそれぞれの解釈で正反対の意見を言うことも当たり前の状況になっています。
この記事では、そんなあやふやな概念であるE-A-Tについて、現時点での僕の知識をまとめてみようと思います。過去にも僕はE-A-Tに関する記事をupしていて、その記事と読み比べると主張が違うと感じるところもあるかもしれませんが、そこは「当時から経験を積んで僕の考えが変わった」部分としてとらえてもらえれば幸いです。
目次
E-A-TとはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の3つを表すことは冒頭で説明しました。それでは、これら3つの項目が何を表すのかを、少し具体的に説明していきましょう。
Expertise(専門性)とは、あなたを含めた情報発信者が特定の分野において高レベルの知識や技能を持っていることを意味します。この専門性は、特にYMYL(Your Money or Your Lifeの略)と呼ばれる医療・金融・法律といった分野の情報では特に重要視されます。
その一方で、専門性が強く問われないような分野もあります。例えば、何かの体験談をブログで発信する時。食レポや商品レビューなどはその典型例です。サービスを利用してどう感じたか?は、その人しか持っていない貴重な情報です。こうした情報はGoogleも”everyday expertise”として、YMYL分野で求められる専門性とは別の扱いをしています。
Authoritativeness(権威性)を別の言葉で言い換えると「評判」に近いです。周りの人からの評判が高ければ権威性は高く、評判が低い、または誰もあなたのことを話題に出さないなら権威性は低いと考えられます。
ただ、SEO対策における権威性という概念は、必ずしも現実世界での権威性と一致するわけではないことには注意が必要です。例えば、現実世界では権威性の高い東大の教授でも、ネット世界で話題になっていなければその教授の発信は「権威性が低い」と判断される可能性があります。
つまり、ここで言う権威性とは「ネット上の評判」のことであり、ネット上で他の人があなたの発信する情報を頼りにしているかどうか?を表します。これもYMYL分野では特に厳しく評価され、同じ業界の他の専門家からの評判が求められます。一方YMYL以外の分野では、一般人からの評判でもOKなトピックもたくさんあります。
Trustworthiness(信頼性)とは、そのwebサイトやコンテンツの内容が正確であることだけでなく、確かな出どころから発信されていることも含みます。
つまり、そのコンテンツを誰が発信しているのか、その人は実在の人物なのか、ブログ記事の内容について問合せをしたい時にどこからコンタクトがとれるのか、などもGoogleは重要視しているということです。
なので、この信頼性はYMYLサイトは当然ながら、非YMYLサイトのコンテンツでも同様に重要視されます。ビジネスサイトであれば、分野に関わらず社名や住所、電話番号など多くの会社情報を載せているサイトはより信頼されます。ブログ記事でも、ただ個人の主観で書いただけの記事よりも、他のサイトから客観的な証拠を引用している記事の方が信頼性は高くなります。
SEO対策においては、E-A-Tは非常に重要な意味を持ちます。僕たちがいつも「ネット情報はイマイチ信頼できない」と言っているように、Googleはユーザーのオーガニック検索の結果の信頼性に敏感になっています。もしGoogleがユーザーにとって信頼できる結果を出さないと、次第に多くのユーザーがGoogleを使いたくなくなって他の手段に移ってしまうからです。
Googleが信頼できる情報を強く求めている以上、僕たちも発信する情報をできるだけ信頼できるものにすべく、コンテンツの品質を日々改善していかなければなりません。E-A-Tの3つとも対策に取り組んですぐに結果が出るものではありませんが、日々の努力で少しずつでも改善し続ける必要があります。
ここまでの話から、E-A-TはGoogleのランキングファクターの1つなのか?という疑問が出てきます。この疑問に対する回答は微妙で、E-A-Tという単語についての解釈で変わってきます。
もしあなたがE-A-TをGoogleのalgorithm(アルゴリズム)で処理される技術的な要素ととらえているなら…例えばPageRankのように数値化された指標のように考えているなら、E-A-TはGoogleのランキングファクターではないという回答になります。
実際、GoogleはE-A-Tを数値化していないと公言していますし、冒頭で紹介した検索基準評価ガイドラインも「GoogleがE-A-Tを評価する」ためのガイドラインではありません。これはGoogleが第三者機関に「Googleの出す検索結果が好ましいものになっているかどうか?」を評価してもらうためのガイドラインです。
しかし、Googleは別のあらゆる方法でwebサイトやコンテンツの評判や専門性を評価しようとしているのは事実です。
例えば、最も重要なランキングファクターの1つである被リンクは、そのまま権威性を表す指標の1つとしても考えることができます。Webサイトに自己紹介ページを作って情報発信者の紹介をしたり、オフィスの住所や連絡先を載せることは、ユーザーだけでなくGoogleに対してもwebサイトの評価を高める1つの対策になります。
こうした「数々の具体的な対策の結果生じる変化」という意味でE-A-Tを解釈するならば、E-A-Tは当然重要なGoogleのランキングファクターの1つに数えられます。
それでは、ここからはE-A-Tを改善するための具体的な対策法をご紹介しましょう。
現実世界と同じく、ユーザーやGoogleに信頼してもらうための第一歩として、まずあなたが何者かをサイト内できちんと説明しなければなりません。フルネームや連絡先はもちろん、今までの経歴や資格・免許も必要なものはすべて正確に開示しておくようにしておきましょう。
また、Googleはサイトの信頼性だけでなく、情報発信者の信頼性も見ています。あなたが書いたブログ記事などには、責任者としてあなたの名前を載せておきましょう。他の信頼性の低いライターと区別する必要があるだけでなく、あなたが別のサイトで新たに情報発信を始める時もそれまでに稼いだ信頼性が生きるかもしれません。
法律はともかく、医療や金融の分野ではテクノロジーの進歩などの影響で日々情報がアップデートされていきます。もしこれらの分野を扱っているなら、それに合わせてあなたの発信する情報も素早くアップデートしていかなければなりません。
その際、業界内で信頼性の高い情報ソースにリンクを貼って、あなたの主張の裏付けにするとともに高い専門性をアピールすることも重要です。なぜリンクを貼ることで専門性をアピールできるのか?専門家でなければ本当に信頼できる情報源を正しく選択できないからです。
一方、非YMYLサイトであればそこまで厳格に情報の更新が必要ではないと考えられます。ただ、もちろん全く無視していいわけではありません。そもそも、できるだけ新しく正確な情報をユーザーに届ける姿勢を持つことは、記事を読んでくれるユーザーへの礼儀です。
特定の分野で専門家を名乗るには、その分野に関係する他の情報についても詳しくなければなりません。あなたが医者であれば、風邪だけでなく盲腸についての知識もあるはずです。弁護士であれば、個々の法律だけでなく過去に起こった事件についても知っているはずです。
そうした特定分野内の様々な知識を披露することは、ユーザーに専門性をアピールするための有効な手段の1つです。同じようにその分野に関する情報の網羅性が高いサイトは、Googleに「専門性の高いサイト」と評価されることになります。
逆に、その分野以外の情報を載せてしまうのは、サイトの専門性を高める上では逆効果です。
例えば、ブログに専門的な内容だけではなくて、たまには息抜きで何気ない日常の様子を載せようと思うことがあるかもしれません。僕たち人間はそれらの記事を見て息抜きページだとわかります。でもGoogleはそのページも1つのコンテンツとして同じように評価するので、全く違ったトピックの記事を発信すると専門サイトとしての評価が下がっていき、最悪一般のつぶやきブログと同じ評価になってしまう可能性もあります。
上で述べたように、被リンクの獲得はE-A-Tの中の権威性を高めるために有効な手段と考えられます。被リンクならばどんなものでも良いというわけではありませんが、webサイト管理者として日頃から被リンク獲得の機会を探る姿勢はE-A-Tを改善するために必要です。
また、被リンクと同じくメンション(他のサイト内であなたの名前や企業名、サイト名を紹介してもらうこと)も、権威性を高めるために有効な方法と考えられます。その分野で権威あるサイトでメンションを受ければ、あなたや企業も権威性や専門性を高めることができるからです。
いかがでしたか?今回の記事では、SEO対策の分野でも重要でありながら意味があやふやな部分があるE-A-Tについて、現時点での僕の知識や解釈をまとめてみました。
まとめてみて記事を振り返ると、E-A-Tを高めるためにやるべきことは、実社会で人に信頼されるためにやるべきことと変わらないことがわかります。SEO対策としてやるべきことをしっかりやりつつ、その上で他のサイトとは違う独自性を出していければ理想的です。
Googleの求めるE-A-Tについて、まだ理解が不十分なところはありませんか?今後の記事作成の参考にさせていただきますので、何かあればお気軽に下のコメント欄へメッセージをお願いします。
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。