WordPress.orgとWordPress.comの違い:あなたはどちらを選ぶべき?
Webサイトを作るとき、よくWordPress(ワードプレス)という単語を耳にします。WordPressとは、2020年現在日本でのシェアが80%超と言われているポピュラーなプラットフォームです。なので、もしあなたが新たにwebサイトを自作しようと考えたとき、WordPressを使ってサイトを構築するのは非常に理にかなっているのですが…
実は、WordPressって2種類あるのを知ってますか?両者で名前は似ていても、できることに大きな違いがあるので、その選択を間違ってしまうと全然自分の思い通りにいかずに断念…ということにもなりかねません。
そんな残念なことにならないように、この記事でWordPress.orgとWordPress.comの主な違いについてお伝えしていきます。これからWordPressでwebサイトを立ち上げよう!としている初心者の方は、ぜひこのまま続きをお読みください…
目次
WordPress.orgとWordPress.comの違い:両者の違いを表にすると…
WordPress.orgとWordPress.comの違いを一目で比較できるように、まずは両者のメリットとデメリットを表にして下にお示しします。
WordPress.org | WordPress.com | |
カスタマイズ | 自由 | 制限あり |
プラグイン | 自由 | 不可 |
コスト | あり | 3GBまで無料 |
有料広告掲載 | 可 | 制限あり |
SEO対策 | 自由 | 制限あり |
解析ツールの使用 | 可 | 制限あり |
通販サイト構築 | 可 | 不可 |
メンバーシップ構築 | 可 | 不可 |
メンテナンス | 自己責任 | 不要 |
続いて、WordPress.orgとWordPress.comのメリットとデメリットを詳しく説明していきます。
WordPress.orgのメリットとデメリット
通常僕たちがWordPressと言うときは、WordPress.orgの方を指します。WordPress.org自体は無料で使えますが、webサイトを立ち上げるためにレンタルサーバーを借りて、独自ドメインを取得する必要があるので、それらの使用料と維持費が別途かかります。
その他、WordPress.orgを使うメリットとデメリットを列挙すると…
WordPress.orgを使うメリット
1.自分の思い通りにカスタマイズできる
Webサイトのデザインを決定するテーマや、様々な機能を追加するプラグイン など、ありとあらゆるものが自分の意思でつけ放題です。さらにプログラミング言語の理解が進めば、自分でコードをいじって自由にカスタマイズできるようにもなります。
関連記事:WordPressサイトをプラグイン で多言語化する最も簡単な方法
2.カスタマイズ情報が無料で手に入る
今や多くの人がWordPress.orgを使っていて、ネット検索すればサイトのカスタマイズ情報が山ほど検索結果に引っかかります。高額なセミナーに参加したり、本を買いあさったりしなくても、好きなときに自由にカスタマイズができるようになります。
3.Webサイトの所有権がある
違法なことをしない限り、あなたが作ったwebサイトやそのデータの所有権はすべてあなたにあります。将来webサイトを別のプラットフォームに引っ越しすることになった場合も、今まで残してきたサイトのデータをそのまま新サイトに移すことができます。
4.有料広告でお金を稼ぐことができる
Googleアドセンス広告やその他の有料広告を掲載して、広告収入を得ることができます。あなたのサイトに多くのトラフィックが集まるようになれば、ネット広告だけでまとまった収入を得ることも夢ではありません。
5.各種分析ツールと連動できる
Googleアナリティクスに代表される、ユーザーの滞在時間や離脱率などを分析できるツールと接続することができます。これらのツールでユーザーの動向がわかるので、トラフィックをさらに増やすためにサイト内のどこをどう改善すれば良いかがわかるようになります。
6.通販サイトを作れる
WordPress.orgなら、独自の通販サイトを立ち上げて商売をすることも可能です。プラグイン でPayPalなどクレジットカード決済の機能を付け加えることができるので、あなた1人でもオンラインストアを運営することができるようになります。
7.メンバーシップサイトを作れる
メンバーシップ構築用のプラグイン がありますので、有料プレミアムメンバー限定のコンテンツを発信したり、あなただけのオンラインコミュニティーを構築することもできます。
WordPress.orgを使うデメリット
一方、WordPress.orgを使うデメリットは、多少のお金がかかること以外に大きなデメリットはありません。レンタルサーバー使用料と独自ドメイン取得・維持量を含めて、ランニングコストが年間数千円〜1万円程度必要な上、高機能なプラグインやテーマを購入する場合にも代金が発生します。
レンタルサーバーの使用料や支払い方法については、それぞれのサーバーで複数のプランを用意していますので、各サーバー会社のwebサイトをのぞいてみてください。もし、どうしてもこれらの費用を賄えないというのであれば、 WordPress.orgの使用はおすすめできません。
その他で考えられるWordPress.orgのデメリットとしては、テーマ・プラグイン のアップデートやデータのバックアップがすべて自己責任であることくらいでしょうか。とは言っても、これらの作業自体は難しくなく、各種パーツのアップデートはワンクリックで終わりますし、プラグイン で自動バックアップを設定することも可能です。
そんなわけで、あなたによほどの事情がない限りWordPress.orgの方がおすすめです。
WordPress.comのメリットとデメリット
一方のWordPress.comは、WordPressの共同設立者であるMatt Mullenwegが作成したホスティングサービスです。WordPress.comには5つのプランがあり、支払う金額によって使える機能が変わってきます。
- 無料プラン:無料
- パーソナル:毎月500円
- プレミアム:毎月900円
- ビジネス:毎月2900円
- Eコマース:毎月5220円
もちろん支払う費用が高くなるほど使える機能が充実してきますが、ここでは無料プランに限定してそのメリットとデメリットを列挙していきます。
WordPress.comを使うメリット
1.データ3GBまで無料
無料プランでもデータ3GBまでは自由に使えるので、多くの人に見てもらう前提がないファミリーブログなどを作るのであれば、まずはこの無料プランから始めてみるのも賢い選択だと思います。しばらく使ってみてデータが足りなくなったら、プランのアップグレードで対応すればOKです。
2.メンテナンスがWordPress.comにおまかせ
WordPress.orgとは違い、データのバックアップ他のメンテナンスはすべてWordPressにおまかせです。万が一サイトに何らかのトラブルが発生したとしても、あなたは何もしなくて大丈夫。プロがすべて解決してくれます。
WordPress.comを使うデメリット
1.広告が勝手に表示される
無料プランを使う場合、あなたのwebサイトにネット広告が勝手に表示されることになります。煩わしい広告を削除するためには、パーソナルプラン以上へのアップグレードが必要です。
2.広告収入が得られない
無料プランでは、あなたのサイトに表示される広告からの収入は入りません。広告収入を手に入れるためにはプレミアムプラン以上にアップグレードする必要がありますが、その場合も広告収入はWordPress側と折半することになります(WordAds)。
3.テーマやプラグイン を自由に使えない
無料プランでは、WordPress.orgのように好きなテーマやプラグイン を自由に使えません。これらを自分の思い通りに使いたければ、ビジネスプラン以上にアップグレードしなければなりません。
4.アクセス分析ツールが使えない
無料プランでは、Googleアナリティクスなどユーザーの行動を解析するためのツールが使えません。プレミアムプラン以上でGoogleアナリティクスとwebサイトを連動させることができます。
5.通販サイトやメンバーシップサイトが作れない
通販サイトやメンバーシップサイトも無料プランでは作れず、アップグレードが必要になります。
6.WordPressブランドを削除できない
無料プランでは独自ドメインを取得できず、https://yourname.wordpress.comのようなWordPress.comのサブドメインとしての運用になります。また、サイト内のフッターエリアに”Powered by WordPress”というリンクがつくことになり、webサイトに安物っぽさが出てしまいます。
7.データを削除される可能性がある
よほどのことがないと起こることはありませんが、WordPress側があなたのサイトに何らかの違反行為があると判断した場合、あなたに無断でサイトのデータを削除する可能性があります。
というわけで、WordPress.comでサイトを作っていろいろやろうとすると、WordPress.orgでサイトを作るよりはるかに高額の費用がかかってしまいます。なので、将来的にwebサイトの収益化に取り組みたい場合には、初期費用を何とかして最初からWordPress.orgで作るのが絶対おすすめです。
一方、超初心者でまずはブログ発信に慣れたい人、あるいは簡単なブログ機能だけ使えれば十分という人には、WordPress.com上でブログ運営するのも1つの選択です。
WordPress.comからWordPress.orgへサイトの移行はできる?
もしあなたが既にWordPress.comでブログ運営を始めていて、使い勝手が悪いのでWordPress.orgに移行したいと思ったら、後でWordPress.orgへの移行も可能です。
僕はWordPress.comを使ったことがないので実際の手順を説明できませんが、さすがに同じ人が開発したプラットフォームなので、アメブロやWixなどからWordPress.orgへ移行するよりもはるかにストレスフルにできるようです。もしあなたに移行が必要な場合、詳しくはWordPress.comのサポート担当にご相談ください。
WordPress.org vs WordPress.comの違い、最後にまとめると…
WordPress.orgとWordPress.comの違いは、どことなく持ち家にするか借家にするかの選択に似ています。
WordPress.orgを選ぶのは自分の家を買うのと同じで、すべて自己責任になりますが、あなたの思い通りにすべてをコントロールできて、違法なことをしない限りあなたのサイト運営に文句を言ってくる人は1人もいません。
一方のWordPress.comの場合は借家を借りるのと同じで、どんなに高いお金を払っても一定の制限はついてきます。その代わり、メンテナンスなどの一部作業を丸投げできるというメリットもなくはありません。
特にこれからサイト作りを始めようとしている初心者には大きな混乱の元ですが、長期的な視点で考えると、よほどの事情がない限りWordPress.orgでwebサイトを構築する方がおすすめです。具体的なサイトのカスタマイズ方法は当サイトでも少しずつ情報提供していますので、他のブログ記事もぜひ参照してみてください。
大堀 僚介(Ohori Ryosuke)
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。
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