ドメインパワーのチェック方法と上げ方
ドメインパワーとは、特定のwebサイトが検索エンジンから受ける評価の高さを概念的に表した言葉です。Googleは公式にはこのドメインパワーという概念を認めていませんが、SEO対策の専門家の間ではこの概念が存在するように扱われて、日々のSEO対策にも使われています。
今回の記事は、このドメインパワーという概念について詳しく説明する内容になっています。ドメインパワーの計測方法や、ドメインパワーの上げ方について気になっている方は、このまま最後まで記事をお読みください…
目次
ドメインパワーはなぜSEO対策に重要なのか?
ドメインパワーがSEO対策に重要な理由は、ドメインパワーが高ければ高いほど検索エンジンで上位表示されやすく、低ければそれだけ上位表示が難しくなると考えられているからです。
ドメインパワーの高さは検索エンジンからの信頼性を表すので、仮に全く同じコンテンツを2つの異なったサイトから公開したとき、ドメインパワーの高いサイトの方が検索上位となり、ドメインパワーの低いサイトでは検索下位あるいはランキング外になるものと考えられます。
今ではあらゆる業界でSEO対策が取り入れられているため、Googleの検索ランキングトップ10入りしたページを調べると、書かれている内容がすごく似通っているということも珍しくありません。コンテンツの品質に大差がない場合、ドメインパワーの高いサイトの方が順位が高くなる傾向があります。
そんな競争の激しい分野では、どんなに良質なコンテンツを作成しても、ドメインパワーゼロのサイトでは検索エンジンに見向きもされない…という状況も起こり得ます。なので、ターゲットキーワードで検索順位の上位表示を狙うなら、良質なコンテンツ作成もさることながら、ドメインパワーを上げるということもSEO対策では重要な施策になってきます。
あなたのサイトのドメインパワーをチェックする方法
では早速、あなたのサイトのドメインパワーをチェックしてみましょうか…といきたいところですが、あくまでドメインパワーは概念的なお話(言ってみれば想像上のお話)なので、本当の意味でドメインパワーを調べることはできません。
では、僕たちSEOの専門家は何をもってドメインパワーを確認しているのかというと、いくつかのチェックツールが計測しているドメインパワーの推定値を使って、Google が特定のサイトに与えたドメイン評価を調査しています。これらのチェックツールは一部無料で使えるので、下にご紹介する調べ方をマスターすればあなたにも簡単に自サイトのドメインパワーを調べることができます。
1.Mozのドメインオーソリティ(Domain Authority:DA)
数ある指標のなかで最もよく使われているドメインパワーの指標として、Mozが計測するドメインオーソリティ(Domain Authority:DA)という指標があります。このツールを使うにはログイン用のEメールアドレスを登録する必要はありますが、毎月10回まで無料でサイトのDAを検索することができるので、自サイトだけでなくライバルサイトのDAも無料で確認できます。
使い方は簡単です。Moz.comにログインを済ませた状態で、画面上部のバーから「Free SEO tools」をクリックします。
次の画面で「Research with Link Explorer」をクリックして…
Link Explorerが開いたら、真ん中のボックスに対象サイトのURLを入力して「Analyze」ボタンをクリックすればOKです。
ちなみに、ボックス左にあるボタンをクリックすると、サイト全体のDAを検索する「root domain」だけでなく、サブドメインのDAを調べる「sub domain」、そして1つの特定のページの持つパワーを表示する「exact page」を選択できるので、目的に合わせて使い分けてみてください。
2.Ahrefsのドメインレーティング(Domain Rating:DR)
SEO業界でMoz以外でよく用いられるもう1つの指標に、Ahrefsが測定するドメインレーティング(Domain Rating:DR)という指標があります。Ahrefsのツールを使うにはメールアドレスの登録などは一切不要。完全無料かつ無制限でDRを検索できるので、もしドメインパワーを調べたいサイトがたくさんあるのなら、Mozを使うよりAhrefsを使う方が便利です。
使い方は、Ahrefsのホームページにアクセスして画面を一番下までスクロールしていき、フッターエリアの「無料ツール(Free tools)」の中から「Webサイトオーソリティチェッカー」を選んでクリックします。
次の画面に表示されたボックスの中に対象サイトのURLを入力して、右のオレンジボタンをクリックすれば、そのサイト全体のDRが表示されます。
AhrefsのDRもMozのDAと同様、SEO専門家の間では信頼性の高いスコアとしてよく利用されますが、無料ツールではサブドメインや特定ページの持つパワーを調べることができないのが1つ残念なところです。
3.Ubersuggestのドメインスコア
もう1つ、無料で使えるチェックツールとしてUbersuggestのドメインスコアをご紹介します。このツールは日本語化されているので使いやすく、メールアドレスを登録しなくても1日3件まで利用できます。
Ubersuggestも操作は簡単。検索ボックスの中にドメインスコアを調べたいサイトのwebURLを入力、国名を日本として検索ボタンをクリックすれば、そのサイトのドメインスコアが表示されます。
<2021年2月追記>Ubersuggestの仕様が変わって、現在UbersuggestではMozのドメインオーソリティが表示されるようになっています。
これらのツールが測定するスコアは、いずれも100点満点のスコアになります。基本的にどのツールもそれなりに近い値を出してくれますが、それぞれ独自の方法でスコアを計算しているため、例えば「Moz.comではDAが30なのに、AhrefsではDAは10だった…」というような結果のズレも十分に起こり得ます。
その場合は、どのツールが一番信頼できる or できないという話ではないと僕は思っていて、僕の場合には一番低い数値を採用してさらにドメインパワーを上げる方法を考えます。
あなたのサイトに必要なドメインパワーの目安はどのくらい?
実際にこれらのツールでドメインパワーの指標を測ってみて、Googleのオーガニック検索で上位表示するためには、自サイトにパワーがどのくらい必要なのか気になることと思います。
一般的な話をすると、100点満点のうち30点未満は信頼性の低いサイト、30〜60点は普通のサイト、60点以上は信頼性の高いサイトと言われています。なので、特にあなたがwebサイトを使ってビジネスをしている場合は、どのツールを使っても30点を超えるくらいにはドメインパワーを上げておく方がいいでしょう。
でも、これらの数値の使い方は絶対評価ではなく、ライバルサイトとの相対評価に使います。仮に自サイトのドメインパワーが弱くても、ライバルサイトも自サイト以上にドメインパワーが弱ければ検索ランキング上位獲得は十分可能です。逆にいくら自サイトのスコアが高くても、それ以上にライバルサイトのスコアが高ければ、さらに努力して自サイトの評価を高める必要があります。
なので僕としては、まずはどのツールでも30点以上キープできるようにドメインパワーを上げる。それが達成できたらライバルサイトのドメインパワーを調べ、足りないようならさらなる努力を続ける…という感じの考え方がいいように思います。
ドメインパワーを上げるには何をしたらいい?
実際にドメインパワーを調べてみて、あなたのサイトはどんな状況でしたか?もしかしたら、ライバルサイトと比較してDAやDRが低く、とても残念に感じているかもしれません。
そんなあなたのために、これからドメインパワーを上げる方法をいくつかご紹介します。ただ、ドメインパワーを上げるにはある程度の時間が必要であり、かつ急いで上げようとするとGoogleから目をつけられてペナルティをくらってしまう可能性も否定できません。日頃から少しずつ、コツコツと積み上げていくことが、安全かつ確実にドメインパワーを上げていく唯一の方法なのです。
1.関連コンテンツを追加する
1つ目の施策は、そのサイトが扱うテーマに関連するコンテンツをどんどん増やしていくことです。関連コンテンツを増やしていくことでそのサイトの専門性が高まり、Googleにもユーザーにも専門性の高いサイトであると認識されやすくなります。検索結果でも徐々により多くのユーザーの目に留まるようになり、あなたのサイトに被リンクを貼ってもらえる確率も高まります。
一方、ただ記事数を増やすだけのために、テーマにあまり関連性のないコンテンツを追加するのは止めましょう。余計な情報が入ることであなたのサイトの専門性が薄まり、いわゆるE-A-Tの評価も低くなってしまいます。
Googleに上位表示させやすくするためのコツの1つは、とにかくニッチに特化したサイト造りを心がけることです。時にはサイト内ブログで雑談的なコンテンツを載せたいと思うかもしれませんが、SEO対策の観点からすれば良い選択ではありません。もしどうしても…というなら、サブドメインを開設して別サイト扱いでブログを運営する方が安全です。
2.被リンクをもらう
2つ目の施策は、外部のサイトから被リンクをもらうことです。ドメインパワーは被リンクの数と質で規定されると言っても過言ではなく、ドメインパワーの強い外部サイトから被リンクをもらえれば、それだけあなたのサイトのドメインパワーも強くなりやすいと言うことができます。
しかし、リンクを貼ってくれるかどうかは完全に相手サイトの事情によるので、僕たちの都合でコントロールできません。普通に待っているだけでは滅多に被リンクを貼ってもらえないので、リンクを貼りたくなるような良質なコンテンツ作成はもちろんのこと、より多くの人の目につくようにSNSなどを利用して情報の拡散を積極的に狙っていきましょう。
一方、金品などとの交換で被リンクを貼ってもらうのは明確なGoogleのガイドライン違反で、場合によってはGoogle検索からの永久追放もあり得ます。急いでドメインパワーを上げようとするあまり、Googleに目をつけられかねない怪しいSEOサービスに手を出すのはやめましょう。
3.決してあきらめずに末長くサイトを運営する
3つ目の施策は、おそらくドメインパワーを上げるために最も重要なことです。どんなに結果が出なくても、あきらめずに関連コンテンツを追加して運営を続けること。長く続けることでより多くのユーザーにコンテンツを見てもらいやすくなり、その分被リンクをもらえる可能性も高まります。関連コンテンツを増やしていけば、同じようにその分被リンクをもらえる可能性が高まるのです。
これはいわゆるドメイン年齢(あるいはドメインエイジ)という概念で、SEOの業界ではwebサイトを長く運営するほど検索結果で有利になる傾向が数多くの専門家から指摘されています。もちろん、ただ運営期間が長ければいいというような単純な話ではありませんが、ただドメインの古さに頼るだけでなく、日々良質なコンテンツを作成し、古くなった情報を最新情報に更新するなど、ユーザー目線で信頼できるサイト造りを心がけていれば、いつかきっと道は拓けるはずです。
ドメインパワーが上がるまでの期間はどのくらい?
あくまでも「ドメインパワー」という用語は概念的なものなので、具体的に「どのくらいの期間が経てばどのくらいドメインパワーが上がる」と言えるようなものではありません。代替的な指標としてMozのDAやAhrefsのDR、Ubersuggestのドメインスコアのどれかを使うにしても、「このくらいの数値を上げるのにこのくらいの時間が必要」などと一概に言うことはできません。
ただ1つ確実に言えることは、DAにしろDRにしろ…
自サイトのDAやDRが高くなるほど、それ以上に上げるのが難しくなる
ということです。これはGoogleのPageRankと同じように「対数スケール」というものを使って計算しているからで、上に行けば行くほどドメインパワーを上げるのにより多くの被リンクが必要になってきます。
なので、仮にwebサイトを開設してから3ヶ月目にドメインパワー(ここではDAやDR、ドメインスコアと考えてください)が0から10に上がったとしましょう。その場合ドメインパワーを10から20に上げるには、おそらく3ヶ月では済みません。さらに、その上の30、40…と上を目指すにつれて、それだけ多くの時間が必要になることでしょう。
というわけで、繰り返しになりますが、ドメインパワーを上げることに執着しすぎないことが大事です。ドメインパワーを早く上げようと躍起になるのではなく、日々やるべきSEO対策をコツコツ続けていきながら、後からドメインパワーが上がっていくのをのんびり待つくらいのスタンスがちょうど良いのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?今回は、SEO対策の業界でよく話題に挙げられている「ドメインパワー」という概念についての説明を行いました。特にSEOの初心者の方にはわかりにくい概念かもしれませんが、この記事で少しでもあなたの理解が深まったのなら嬉しく思います。
ドメインパワーについて、もし追加で知りたいことなどがあれば、今後のコンテンツ作成の参考にさせていただきますので、ぜひお気軽に下のコメント欄に一言お願いします。
P.S. ドメインパワーについては、株式会社デジマケが運営しているサイト「デジマケの教科書」にも詳しい記事があります。とっても理解しやすい文章で詳しく説明してくれているので、合わせてこちらの記事も読んでみてはいかがでしょうか?
>> デジマケの教科書|ドメインパワーの目安は?簡単に調べる方法とパワーを上げる5つの方法をご紹介
大堀 僚介(Ohori Ryosuke)
AWAI認定コピーライター
SEO contents institute認定コピーライター
何事も“超一流の専門家から学ぶ”をポリシーとしており、コピーライティング業界で世界最高の権威である全米コピーライター協会(AWAI)でライティングの基礎を習得後、SEOコピーライティングのパイオニアHeather-Lloyd Martin、コンテンツマーケティングの世界的第一人者Brian ClarkにWebコピーライティングを学ぶ。
さらにAWAIでビジネス用Webサイト作成スキルを習得、知識ゼロの状態から自社サイトSuper Clear Contentsを立ち上げる。その経験とインターネット業界の動向をふまえて、個人事業主や副業サラリーマンに向けて最新のビジネス用Webサイト構築方法を提供している。
こはるおと
突然失礼します
ドメインパワーの重要さは理解していますが、上げるのには四苦八苦しています。
あきらめずに末長く、その言葉に元気づけられました。
色々と試行錯誤することになりそうです。
ありがとうございました。
大堀 僚介
こはるおとさん
コメントに気付くのが遅くなり、大変失礼いたしました。
仰る通り、ドメインパワーはそう簡単に上がりません。
ただ、諦めずに長くサイトを運営していれば、その間にどこかで誰かの目に留まります。
(まさに今回、この記事がこはるおとさんの目に留まったように…)
そこで運よくリンクを貼ってもらえれば、Googleの言う「良質な被リンク」が1つ獲得できて、
その積み重ねで徐々にですがドメインパワーが上がっていきます。
何せGoogleが開設後3〜4年程度のサイトを新米サイトと呼んでいるくらいですから、
本当の意味でサイトに箔を付けるには膨大な時間がかかるのでしょうね。
当サイトもGoogleの基準ではまだまだ新米サイトですが、
少しずつでも世の中に認められるように頑張っていこうと思ってます。
一緒に頑張りましょう!